名車ポルシェ「カレラGT」が“ル・マン風”ワンオフモデルに大変身! 米高級車ディーラーの50周年イベントで公開された「JC9」ってどんなクルマ?
なぜ希少な「カレラGT」をここまで大胆につくり変えた?
このモデルの最大のサプライズは、なんといってもガルウィングドアの採用です。
オープンカーだった「カレラGT」とは対照的に、「JC9」は固定ルーフを持つクーペボディを採用。ガルウィングドアを組み合わせることで、レーシングプロトタイプを想起させるドラマチックなシルエットを実現しています。乗降のたびに翼を広げるようにドアが跳ね上がる様子は、見る者をくぎづけにします。
リアセクションも負けず劣らず過激。「カレラGT」が誇る5.7リッターV型10気筒自然吸気エンジンは、むき出しの状態で外部から丸見えになっており、新設されたエキゾーストシステムとともにデザインの一部として堂々とした存在感を放っています。
リアクォーターパネルからツインプレーン式リアウイングへと流れるラインも圧巻で、後輪がほぼむき出しになった姿はル・マンに参戦するマシンのような雰囲気です。ボディカラーはブルーとオレンジのツートーンで、往年のレーシングマシンを思わせるルックスとなっています。
インテリアは「カレラGT」のそれをほぼ踏襲しており、メーター、ダッシュボードのエアベント、センターコンソール、ステアリングホイールなどからベース車を感じることができます(ただし、ポルシェのロゴは取り外されています)。シートはロイヤルブルーのスエード地にオレンジのステッチ、鮮やかなタータンチェック柄のインサートを組み合わせた独自仕様となっています。

気になるエンジンのチューニングについて、ミラー・モータカーズは現時点で明らかにしていません。ただし、「JC9」開発の主眼はパワーアップよりも「カレラGT」が持つ本質的な魅力の継承にあるとのこと。
「JC9」はミラー・モータカーズの50周年記念イベント「レジェンズ」の場でワールドプレミアを飾り、カストリオータ氏が手がけた歴代の名作とともに展示されました。米国人コレクターのために製作されたプライベートコミッションであり、量産を前提としない正真正銘のワンオフモデルです。
ただでさえ希少な「カレラGT」をここまで大胆につくり変えることには、さまざまな意見があるでしょう。しかし「JC9」が興味深いのは、そのV10エンジンや6速MTといった核となる部分を残しながら、1960〜1980年代の耐久レーサーを思わせる姿へと再構築したことです。
歴史的な名車をオリジナルのまま保存するのではなく、その魅力を別の時代や別のデザイン言語で表現し直す。「JC9」は、世界に1台だけのコーチビルドだからこそ可能になった「カレラGT」の新たな解釈といえそうです。
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