発売から10年超、マツダ「ロードスター」はなぜ売れ続ける? 最新の特別仕様車「PS」とスポーティな「RS」を乗り比べて見えた“進化と深化”
特別仕様車「PS」は「RS」と何が違う? 乗り比べて見えた意外な差
ところで、今回の改良では、新しい特別仕様車「PS」の設定が注目を集めています。ちなみに「PS」とは“ピュアスポーツ”の頭文字。そのネーミングからも明らかなように、走りの性能を高めた「RS」グレードに近い仕立てとなっています。
「PS」は、サスペンションがビルシュタイン製ショックアブソーバーの採用により「RS」と同じ味つけとなっていますし、ブレンボ製のブレーキキャリパーやレイズ製ホイールなど、「RS」ではメーカーオプション扱いとなる走りのアイテムを標準装備しています。
となると、迷うことになりそうなのが、「PS」と「RS」のどちらを選ぶか、という問題。2台のサスペンションは同じである上に、「PS」は高性能なブレーキやアルミホイールが標準装備となり、しかも「RS」より車重が軽い。さらに価格(消費税込)は、366万3000円と、「RS」より7万7000円も安く設定されています(ブレンボのブレーキやレイズ製ホイールを装着した場合には40万7000円も安い!)。これは魅力的です。
一方で異なるのが、シートとオーディオとインテリアの仕立て。レカロ製シートを標準装備する「RS」に対して「PS」は通常のシートとなり、オーディオも「RS」のBOSE製ではなくフツーのタイプとなります。
また「PS」のインテリアは、「RS」だと合皮巻きとなるダッシュボードのガーニッシュやセンターコンソールの仕立てなどが質素でシンプルなものとなっています。つまり「インテリアと装備の仕立てはベーシックだけど、走りに関する機能はフル装備」というのが「PS」の正体。ストイックなモデルなのです。

では、「RS」と「PS」はそれぞれ、どんな人に向いているのか?
その名のとおり、ピュアに走りやドライビングの楽しさを求めるのであれば、「PS」の方がいいでしょう。走りの装備が充実している上に「RS」より軽くて安いので。一方、欲張って走りと上質さの双方を求めるのであれば、「RS」を選んでおけば間違いありません。
そんな「PS」と「RS」ですが、今回乗り比べてみてちょっと気になることがありました(「RS」はブレンボ製ブレーキ&レイズ製ホイール装着車)。
同じサスペンション設定のはずなのに、なぜか「PS」の方が乗り心地がよかったのです。具体的にいえば、細かい路面の凹凸を越えたときの突き上げが少ないように感じました。なぜ、メカニズム的には同じはずの2台に、乗り心地の差を感じたのか? どうやら違いはシートにありそうです。
「RS」に装着されるレカロ製シートよりも「PS」の標準シートの方が、車体の細かい揺れを吸収してくれるようです。というわけで「乗り心地を求めるなら『PS』」といってもいいでしょう。もちろん些細な違いですし、「PS」よりも他グレードの方が乗り心地はいいので、あくまで「PS」か「RS」で選ぶのなら、という条件つきですが……。
最後に、新たに加わったボディカラー“ジンクグリーンメタリック”にも触れておきましょう。
“ND”型「ロードスター」に初めて設定される緑色。すべてのグレードで選べますが、ベージュのソフトトップに薄いタンカラーのインテリアをコーディネートするグレード「S レザーパッケージ Vセレクション」にこの新色を組み合わせると、初代“NA”型で人気だったグレード「Vスペシャル」っぽくて素敵です。筆者(工藤貴宏)としては、これが最新「ロードスター」でイチオシのコーディネートです。
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見た目は大きく変えずとも中身は常に磨き続ける……そんな“進化と深化”の積み重ねこそ、発売から10年を超えた「ロードスター」が今なお支持される理由なのかもしれません。
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