「ディーゼルがなくなってもアリ?」 マツダ「CX-30」の新しいマイルドハイブリッドに乗って分かった“得たもの”と“失ったもの”
人気のディーゼルが消え、2.5リッターマイルドハイブリッドに“選手交代”
筆者(工藤貴宏)はディーゼルエンジン搭載車を愛用しており、日常的にそのメリットを実感しています。本記事は、そんなディーゼルびいきである筆者の視点から見た、マツダ新型「CX-30」のレポートです。
先日「CX-30」は一部改良を受けたわけですが、そのポイントは主に3つ。グレード構成の変更、ディーゼルエンジンの廃止、そして、2.5リッターエンジンを核とするマイルドハイブリッドの追加です。
グレード構成の変更に関しては、2リッターエンジン搭載車にベーシックな「20C」、中間グレードの「20S」、上級グレード「20G」を設定。さらに、2.5リッターエンジンを積む最上位グレード「25L」を設定しています。ストレートにいえば、2リッターはいわば「松竹梅」のように、違いが分かりやすいグレード体系になりました。
加えて、インテリアに特別なコーディネートを施した特別仕様車「エア エディション」も設定。これは、2リッター、2.5リッターの両方で選べるモデルで、2.5リッターの「25 エア エディション」にはルーフレールも装備されます。ルーフレール装着車ながら全高の数値が変わらないことから、ロールーフ車用の機械式立体駐車場を使えるのがちょっとした見どころです。
そして、本記事のメインテーマとなるのが、ディーゼルエンジンの廃止と2.5リッターマイルドハイブリッドの追加。この“廃止”と“追加”は、ひとつの流れとしてとらえると分かりやすく、人気のディーゼルがなくなった代わりに、よりパワフルなガソリンエンジンが追加されたというわけです。いうなれば“選手交代”ですね。

あらためてディーゼルエンジンのメリットをおさらいしておくと、一般的に燃費のよさと、燃料代の安さからくるランニングコストの低さが挙げられます。また、低回転域から太いトルクを発生し、日常域で力強い加速を得やすいことも大きな魅力。ドライバビリティに優れているのです。
こうした点が「一度ディーゼルに乗ると、ガソリンにはもう戻れない」としばしばいわれる理由のひとつです。
というわけで、新型「CX-30」に新たに加わった2.5リッターのマイルドハイブリッドの実力が気になります。“選手交代”である以上、ディーゼルと比べるなという方が無理な話です。
まず、走りはどうでしょう? 単刀直入にいえば、悪くありません。同じパワーユニットを搭載する新型「CX-5」は、追い越し加速や高速道路への本線合流などでどことなくパワー不足を感じるのですが、「CX-30」の場合はそうした印象が全くありません。むしろ、軽快で気持ちよく加速する、といった印象です。
なぜ同じパワーユニットなのに加速フィールが違うのかといえば、その理由は車両重量にあります。「CX-30」は「CX-5」に対して約200kg軽いのです。それだけ違えば加速フィールにも差が生じるというわけです。
ただし、そんな「CX-30」の2.5リッターマイルドハイブリッドも、従来のディーゼルの代わりとして納得できるかといわれれば、それはまた別の話。ディーゼルならではの低中回転域でのトルクフルな印象は薄くなり、ディーゼルからの乗り換えだと物足りなく感じることでしょう。
また燃費面に関しても、ディーゼルほど伸びません。従来のディーゼルは、WLTCモード燃費が2WD車で20km/Lほどでしたが、2.5リッターマイルドハイブリッドの2WDモデルは15.5km/Lにとどまります。同じ距離を走るのであれば、燃料コストは増えてしまいますし、航続距離が短くなってしまうのも気になるところでしょう。

そのため、新たに追加された2.5リッターマイルドハイブリッドは、ディーゼルの代替ととらえるのではなく、頭を切り替えて別物と見るのがポイントだと筆者は思います。マイルドハイブリッドはディーゼルよりも軽快感に優れていますし、高回転域までエンジンを回す楽しさや歓びだってありますから。
失ったものもあるけれど、得たものもある……というわけです。新たに追加された2.5リッターマイルドハイブリッドは、元気がいいガソリンエンジンが欲しいという人にとって、最適な選択肢といえるでしょう。
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