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「フェラーリやランボよりサーキットは任せろ!」レースで鍛えたマクラーレン「765LT」の人車一体感のヒミツとは?

ふんだんにカーボンを使ったボディ重量はなんと1229kg!

 上には上がある。否、欲望の裏返しか。高性能で鳴らすスーパースポーツの世界では、スタンダードモデルの性能をさらに引き上げたモデルの人気ぶりが異常に高い。そもそものハイパフォーマンス。上昇志向の欲望は留まるところを知らないということか。

2020年11月に発表された「765LT」。「720S」で追加された機能「可変ドリフト・コントロール機能」を装備し、手軽にドリフト走行も楽しめるという(C)柳田由人
2020年11月に発表された「765LT」。「720S」で追加された機能「可変ドリフト・コントロール機能」を装備し、手軽にドリフト走行も楽しめるという(C)柳田由人

 マクラーレンの高性能版シリーズの名称には末尾のSの代わりにLTというサブネームが付く。フェラーリ「488GTB」に対する「ピスタ」、ランボルギーニ「ウラカン」に対する「スーパーレッジェーラ」、というわけだ。2015年、当時のメインモデルであった「650S」の高性能版として「675LT」をリリースしたのが始まり。現在は世代交代して「720S」というスタンダードシリーズになっているが、これの高性能版が「765LT」である。

 LTの意味するところはロングテール。これは伝説の3シーターロードカー、マクラーレン「F1」のル・マン参戦車両だった「GTRロングテール」に由来するものだ。ル・マンの長い直線を制するべく、テールエンドを後方へと引き伸ばした専用のカウルを装着していた。その高性能イメージを現代のマシンへと引き継ぐために、ベースモデルのリアエンドを少し長くして(実用とレギュレーション上、それほど長くはできないのだが)、チューンナップされたパワートレイン、軽量化と同時にエアロダイナミクス性能も大いに引き上げた限定マシンがマクラーレンのLTというわけだった。

 最新モデルとなる765LTは、720S用720psを誇る4リッターV8ツインターボの最高出力を765psにまで引き上げ、765台を限定で生産した。同数のスパイダーも発表されている。

●トラックではフェラーリよりも上いくマクラーレン

 マクラーレン製ロードカーは、スタンダードモデルであってもライバルブランドに比べるとトラック性能に秀でている。サーキットとの相性が抜群なのだ。

 なにしろマクラーレンといえば3大レースである「F1」、「ル・マン」、「インディ」を制した世界一のレーシングチームである。だからある意味、そうなって当然。ただでさえサーキット走行が得意なロードカーを、実用性や機能性を担保した上で、さらにサーキット向きへと仕立てあげる。世界一の意地に掛けて。それゆえ歴代LTの仕上がりは極めてスパルタンだった。

 765LTでも高性能への執着は半端なかった。まずは途方もない軽量化へのこだわりを挙げることができるだろう。元々マクラーレンのロードカーには独自設計のカーボンモノコックボディが採用されており、車体の軽さと強靭さが最大の魅力である。765LTはそこからさらにダイエットした。

 たとえば、空力性能アップのために変更されたボディパネルは全てカーボンファイバー製で重量増はない。フロントおよびサイドのウィンドウは厚みが減らされており、リアに至ってはポリカーボネート製である。エグゾーストシステムはフルチタン仕様で、室内にもカーボンパーツを奢りまくった。なんとカーペット面積まで減らしたというから念入りだ。ちなみにブレーキ性能向上のため、限定車「セナ」と同じタイプのキャリパーが奢られている。これだけは重量増となったらしい。

 ベースモデルの720Sに比べて成人男性ひとり分を優にカバーする80kgの減量を果たした。よって車重は乾燥重量1229kgというから素晴らしい。そこに765psの4リッターV8ツインターボを積んだのだから、そう聞くだけで身震いが起きる。

Nextクルマと一体になったような、卓越したハンドリング
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