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【2021年最も高価なクルマBEST10】フェラーリのトップの座を奪った20億円オーバーのクルマとは?

2021年の最高落札価格は、フェラーリを押しのけたアレでした

 それでは、上位の5台を見てみよう。

レーシングヒストリーも華々しいと落札価格も上がる。2010年代中盤であれば20億円も夢ではなかっただろう
レーシングヒストリーも華々しいと落札価格も上がる。2010年代中盤であれば20億円も夢ではなかっただろう

●第5位:1966年フェラーリ275GTBコンペティツィオーネ

・落札価格$7,705,000(約8億8800万円)
・オークション:RMサザビーズ「Montley」

 2021年のオークションリザルト第5位にランクインとなったのは、8月のRMサザビーズ「Montley」オークションに出品された、フェラーリ「275GTB」のレーシングモデル。

 フェラーリのサテライトチーム「スクーデリア・フィリピネッティ」に所属し、1967年の「ル・マン24時間」、1969年の「スパ・フランコルシャン1000km」、同じく1969年の「イモラ500km耐久」でもクラス優勝を果たした、とても有名な個体である。

 これも2010年代中盤であれば、20億円におよぶ価格での落札も充分にありえたのだが、この時は9億円に満たないプライスに終わった。

2010年代ならば10億円オーバーは当然だったが、だいぶフェラーリ市場が落ち着いてきているようだ
2010年代ならば10億円オーバーは当然だったが、だいぶフェラーリ市場が落ち着いてきているようだ

●第4位:1962年フェラーリ268SP

・落札価格$7,705,000(約8億8800万円)
・オークション:RMサザビーズ「Montley」

 第4位は、この年のRMサザビーズ「Montley」オークションにおけるメインビジュアルにもなっていた目玉商品ながら、同時出品された「275GTC」と同じく、約9億円という少々不本意(?)な落札価格に終わったフェラーリ「268SP」である。

 もともとは「スクーデリア・フェラーリ」所属でル・マンにも参加、のちにサテライトチームである北米「NART」から数年にわたってレースに参戦したのち、長らくフランスのコレクター、ピエール・バルディノンのもとに所蔵されていたヒストリーを持つ。

 現在の「ル・マン・クラシック」や「グッドウッドFoS」などでもスターになれそうなフェラーリとしては、間違いなくリーズナブルに感じられるハンマープライスであった。

アストンマーティンとザガートのいわばダブルネーム。左ハンドル仕様は6台のみだ
アストンマーティンとザガートのいわばダブルネーム。左ハンドル仕様は6台のみだ

●第3位:1962年アストンマーティンDB4GTザガート

・落札価格$9,520,000(約10億970万円)
・オークション:RMサザビーズ「Montley」

 2021年夏のRMサザビーズ「Montley」オークションでは、アメリカの不動産王ポール・アンドリュース氏のコレクション26台が出品され、3443万9000ドル(約40億円)の売り上げを計上したが、そのなかの主軸となったのが、2021年の第3位、10億円オーバーを達成したアストンマーティン「DB4GTザガート」だった。

 1960年から62年までに39台が作られたDB4GTZのうち、左ハンドル車は6台のみ。しかもこの個体は、初代オーナーのオーダーでトリムを豪華に仕立てた特装車であることを思えば、10億円オーバーの価格も納得と思われよう。

250GTスパイダー・カリフォルニアでも珍しいコンペティツィオーネとして製作された1台
250GTスパイダー・カリフォルニアでも珍しいコンペティツィオーネとして製作された1台

●第2位:1959年フェラーリ250GTスパイダー・カリフォルニア・コンペティツィオーネ

・落札価格$10,840,000(約12億4930万円)
・オークション:グッディング&カンパニー「Pebble Beach」

「モントレー・カーウィーク」の中核をなす名門イベント「ペブルビーチ・コンクール・デレガンス」の公式オークションは、毎年「グッディング&カンパニー」社が担当するのが通例となっているが、昨2021年のポスターなどでメインビジュアルとなっていたフェラーリ「250GTスパイダー・カリフォルニア」は、12億円オーバーの落札価格をたたき出し、この年のオークション結果第2位となった。

 250GTスパイダー・カリフォルニアはロードバージョンが多くを占めるが、この個体はもともとコンペティツィオーネとして製作されたもの。1959年のイタリア・モンツァ「コッパ・インテル・エウローパ(Coppa Inter-Europa)」の出場記録もあることから、この時の落札価格は過大評価とはいえないものと思われる。

ゴードン・マーレーが設計したマクラーレン「F1」は、当時のスーパーカーのなかでも圧倒的な性能を誇っていた
ゴードン・マーレーが設計したマクラーレン「F1」は、当時のスーパーカーのなかでも圧倒的な性能を誇っていた

●第1位:1995年マクラーレンF1

・落札価格$20,465,000(約23億5860万円)
・オークション:グッディング&カンパニー「Pebble Beach」

 ここ数十年にわたって、国際マーケットの高価格ランキングにおいては、クラシック・フェラーリのレーシングモデルが上位を占めるのが通例。しかし2021年の最高価格をたたき出したのは「ヤングタイマー」と呼ばれる1980-90年代のクラシックカーの旗手、マクラーレン「F1」だった。

 グッディング&カンパニー「Pebble Beach」オークションにおけるハンマープライスは、驚きの23億円オーバーである。

 これまでにもマクラーレンF1は世界各国で高値をマーク。2019年のRMサザビーズ「Montley」オークションでは、「F1GTR」仕様から正規にコンバートされたという珍しいヒストリーを持つ「F1 LM」が、1980万5000ドルで落札され、このオークションにおける最高値を記録している。

 しかし今回は派出型のレーシングモデルではなく、「クレイトンブラウン」というユニークなボディカラーと、わずか242マイルの走行距離を特徴とするロードバージョンながらビッド(入札)が殺到。2046万5000ドルで落札されることになった。

 この驚異の価格は、2021年におけるトップであるとともに、過去の全オークションで販売されたクルマの中でも、第13位に相当するものであった。

* * *

 昨2021年のオークション結果を総括すると、これまで第二次大戦前のブガッティなどとともにマーケットの象徴だったフェラーリ製レーシングカーの寡占状態が、次第に揺らいでいるかにも映る。

 たしかに昨年は「250GTO」など、もっともアイコニックなフェラーリ製コンペティツィオーネの出品が無かったことから、マクラーレンF1に軍配が上がったとも考えられる。しかし、1980−90年代のスーパーカーに憧れた世代が、今やクラシックカー市場を支える購買層となっていることから、今後もヤングタイマーの市況は少しずつ変化を見せてゆくとみて間違いあるまい。

 そしてもうひとつ気になったのは、アメリカのマーケットの盛況ぶり。実は上位5台すべてが8月中旬にアメリカ・カリフォルニア州でおこなわれる「モントレー・カーウィーク」期間中におこなわれたオークションにおいて落札された車両だったことも、特筆に値するといえよう。

 2022年のクラシックカー/コレクターズカーの国際マーケットは、1月末に北米アリゾナ州スコッツデールで開催される複数のオークション群とともに、まもなく「シーズン」の幕を開けることになっている。
2022年も市場の動静から、目が離せないのである。

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