VAGUE(ヴァーグ)

【2021年最も高価なクルマBEST10】フェラーリのトップの座を奪った20億円オーバーのクルマとは?

高額落札車10台のうち5台はフェラーリが占める

 2021年は、年間通して新型コロナ禍の影響を受けつつも、クラシックカー/コレクターズカーの国際オークションは大盛況。そして2022年が明け、昨年のオークションリザルトも出揃ったところで、2021年の落札価格ベスト10をお届けできることになった。

エンジンは12気筒である方が、オークションの世界では高評価を受ける傾向にある
エンジンは12気筒である方が、オークションの世界では高評価を受ける傾向にある

 ちなみに実際の入札におけるプライスは、オークション開催地やオークションハウスの国籍によってドル建てだったりユーロ建てだったりとまちまちだが、今回は比較を容易にするためにユーロの価格もドルに換算した上で、さらに2022年1月現在のレートで日本円に再換算した金額を提示させていただいた。

かつて250GT-TdFは10億円を超える価格が当たり前だったが、フェラーリ市場の鎮静化しているのだろう
かつて250GT-TdFは10億円を超える価格が当たり前だったが、フェラーリ市場の鎮静化しているのだろう

●第10位:1958年フェラーリ250 GTベルリネッタ“トゥール・ド・フランス”

・落札価格$6,000,000(約6億9150万円)
・オークション:RMサザビーズ「Montley」

 毎年8月に、北米カリフォルニア州モントレー半島で開催される「モントレー・カーウィーク」では、クラシックカー/コレクターズカーのオークションも数多く開催されるが、業界最大手「RMサザビーズ」も年間通じてのフラッグシップイベントたる「Montley」オークションを開催。そこで600万ドルで落札されたフェラーリ「250GT-TdF」が、2021年の第10位となった。

 かつて250GT-TdFは10億円を超える価格が当たり前だったことを思えば、フェラーリ市場の鎮静化が定着した感もある一方で、7億円近いハンマープライスは同時に高値安定の指標ともいえるだろう。

エスティメート(推定落札価格)は575万−750万ドルだったので、かなりお買い得だったといえる
エスティメート(推定落札価格)は575万−750万ドルだったので、かなりお買い得だったといえる

●第9位:1955年ジャガーDタイプ

・落札価格$6,000,000(約6億9150万円)
・オークション:RMサザビーズ「Arizona」

 第9位は、以前VAGUEでもオークションプレビュー(事前予想)をお届けした、真っ赤なジャガー「Dタイプ」。毎年2月、北米アリゾナ州スコッツデールではアメリカ系企業をはじめとする多数のオークショネアがオークションを開催するのだが、RMサザビーズも北米本社主体で「Arizona」オークションを開催。2021年の目玉となったDタイプ「XKD 518」も600万ドルで落札となった。

 エスティメート(推定落札価格)は575万−750万ドルだったことから、この落札価格は順当といえなくもないものの、レーシングヒストリーもあるジャガーDタイプとしては、こちらもかなりリーズナブルと思われる。

2010年のF1第7戦トルコGPにて、ルイス・ハミルトン選手が優勝したときの個体だ
2010年のF1第7戦トルコGPにて、ルイス・ハミルトン選手が優勝したときの個体だ

●第8位:2010年マクラーレンMP4-25A

・落札価格$6,741,384(約7億7700万円)
・オークション:RMサザビーズ「Silverstone」

 RMサザビーズ社が2021年6月にシルバーストーン・サーキットで開催したオークションは、「THE LEWIS HAMILTON GP WINNING McLAREN」と銘打ち、2010年のF1第7戦トルコGPにてルイス・ハミルトン選手が優勝した際に搭乗していた「マクラーレンMP4-25A」だけを単一ロットとして出品。480万ポンドで落札され、結果として2021年オークション結果の第8位となった。

 顧客に関する情報は明かされていないが、今後は「メルセデス・ベンツ・グランプリ」社の個人向けヘリテージ部門に所属する専任ファクトリーチームが、サーキット走行のサポートにあたるとのことである。

日本では馴染みがないが、欧州セレブの間ではこの手のレーシングモデルは人気だ
日本では馴染みがないが、欧州セレブの間ではこの手のレーシングモデルは人気だ

●第7位:1972年マトラ・シムカMS670

・落札価格$6,921,446(約7億9800万円)
・オークション:アールキュリアル「Parisienne Auction」

 パリで毎年2月に開催される名物的トレードショー「レトロモビル」との公式コラボとして、フランスの「アールキュリアル」社が開催するオークションでは、例年お国柄も感じさせるような珍しいクラシックカーが出品される。

 昨2021年はコロナ禍のためレトロモビル自体が6月に延期となってしまったのだが、アールキュリアル社は2月に独自で「パリジェンヌ・オークション」を先行開催。フランスの文化財とも称されるマトラのスポーツプロトタイプ、1972年のル・マン24時間レース優勝車であるマトラ「シムカMS670」が出品され、8億円近い価格で落札に至った。

 一部のブガッティやゴルディーニ製レーシングスポーツと同様、以前はフランス国外への輸出を差し止められる事例もあったというマトラゆえに、このMS670を落札した新オーナーがフランス人でなくとも、フランスからは出さないかもしれない……?

製作台数がわずか3台とう希少価値が認められたようだ
製作台数がわずか3台とう希少価値が認められたようだ

●第6位:1955年フェラーリ250GTベルリネッタ・コンペティツィオーネ

・落札価格$6,961,633(約8億230万円)
・オークション:RMサザビーズ「The Guilas Collection」

 第6位にランクインしたのは、11月にフランス人コレクター兼ディーラーのジャン・ギカス氏のレーシングカーコレクションからの1台。RMサザビーズ欧州本社が仏ポール・リカール・サーキットを会場におこなった「The Guilas Collection」オークションに出品されたフェラーリ「250GT」のレーシングベルリネッタである。

 同じスカリエッティ製ベルリネッタでも、第10位の250GTトゥール・ド・フランスのひと世代前にあたるモデルで、以前は日本のさるコレクターも所有していた個体。そして製作台数わずか3台という希少性が、この価格にも作用していたのは間違いあるまい。

Next2021年の最高落札価格は、フェラーリを押しのけたアレでした
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