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「C40リチャージ」は“100%EV化”へ邁進する「ボルボ初のEV専用車」その走りが“ボルボらしくない”理由とは?

本革を使ってない“レザーフリーの車内

 EVということ以外にも、C40リチャージはイマドキのクルマづくりが反映されたモデルである。

クルマの内装材として多用されてきた本革を一切つかっていないレザーフリーのインテリア。全体のデザインやレイアウトなどはXC40のそれに通じる
クルマの内装材として多用されてきた本革を一切つかっていないレザーフリーのインテリア。全体のデザインやレイアウトなどはXC40のそれに通じる

 たとえば、かねてより環境への影響を重視してきたボルボ車らしく、インテリアは“レザーフリー”。つまり、本革を一切使っていない。ステアリングホイールやシートの表皮には一部リサイクル材を配した合成素材が使われているが、そうといわれなければ気づかないほど、質感も感触も本革そのもの。この出来栄えなら不満の声があがることはないだろう。

 また、インフォテイメントシステムのOSにGoogleのAndroidが採用され、各種操作を音声やスマホ感覚でおこなえるほか、スターターボタンが存在せずドライバーが運転席に座るとシステムが自動で起動するなど、これまでの概念にとらわれない新しさが盛り込まれている。

 さらに、変化する顧客ニーズに合わせ、ここ日本でもオンラインでの販売や“サブスク”を導入するなど、C40リチャージはセールス面においても新たなチャレンジをおこなっている。

●ボルボっぽくない俊敏さを押し出した走り味

 一方「ボルボっぽくないな」と感じたのは、C40リチャージの走り味だ。

 たとえばステアフィールは、なめらかでスムーズな昨今のボルボ車のものとは明らかに印象が異なる。操舵フィール自体が重く、電動アシストの入り方もナチュラルではない。

 それは加速フィールも同様だ。今回試乗したツインモーター仕様は、前後にそれぞれ204psのモーターを搭載。合計出力は408psを発生する。停止状態から100km/h到達までに要するタイムはわずか4.7秒とクラス最速を誇る上、アクセルペダルを踏んだ際のレスポンスは、まるでカミソリのように切れ味抜群。アクセルペダルを一気に深く踏み込もうものなら、首を後ろへガツンと持っていかれるほど強烈な加速を披露する。低回転域から厚いトルクを発生するモーター駆動車の美点のひとつである俊敏な加速を、前面に押し出したドライブフィールだ。

停止状態から100km/hまでわずか4.7秒で駆け抜ける俊足の持ち主。アクセルペダルを一気に深く踏み込むと、首を後ろへガツンと持っていかれるほど強烈に加速する
停止状態から100km/hまでわずか4.7秒で駆け抜ける俊足の持ち主。アクセルペダルを一気に深く踏み込むと、首を後ろへガツンと持っていかれるほど強烈に加速する

「ドライバーも同乗者も疲れにくい」とか、「おだやかな乗り味」こそボルボ車の真骨頂だったはずだが、なぜC40リチャージは、それとは正反対の味つけを選んだのだろう? その答えは、ボルボ初のEV専用車としてのイメージづくりにほかならない。エンジン車にはないEVならではの刺激的な走り味を提供することで、C40リチャージはEVの魅力をアピールすることを選んだのだ。

 もちろん、C40リチャージのツインモーター仕様は感心させられるほど走りのポテンシャルが高く、クルマに速さや刺激を求める人には心からおすすめしたい1台だ。しかし、従来からの“ボルボらしい乗り味”を求めるなら「話が違う!」となるかもしれない。

* * *

 このクラスのEVは、昨今、普及を意識してか、モーター駆動車らしい強烈な加速力よりも、エンジン車のような自然な走り味を重視し、かつ航続距離を伸ばす方向へと舵を切っている。そのためボルボも、この先、路線変更をしてきそうだ。

 実際C40リチャージの日本向けラインナップにも、先ごろ2023年モデルとして、シングルモーター仕様の前輪駆動で、効率を重視し価格も抑えたマイルド版が発表されたばかりだ。ちなみにシングルモーター仕様の発売は2022年4月21日に開始、デリバリーは2022年秋を予定している。

 EVでも“ボルボらしい乗り味”に期待するのは、きっと筆者だけではないだろう。シングルモーター仕様ではボルボテイストを味わえるのか、そちらの興味も尽きない。

●Volvo C40 Recharge Twin
ボルボ C40リチャージ ツイン(ピクセルLEDヘッドライト装着車)
・車両価格(消費税込):719万円
・全長:4440mm
・全幅:1875mm
・全高:1595mm
・ホイールベース:2700mm
・車両重量:2160kg
・駆動方式:4輪駆動
・電気モーター:交流同期電動機
・システムトータル定格出力:160kW
・システムトータル最高出力:300kW(408ps)
・システムトータル最大トルク:660Nm
・駆動用バッテリー:リチウムイオン電池
・総電力量:78kWh
・交流電力量消費率(WLTC):187Wh/km
・1充電走行距離(WLTC):485km
・0-100km/h:4.7秒
・最高速度:180km/h
・サスペンション:(前)ストラット式、(後)マルチリンク式
・ブレーキ:(前)ディスク、(後)ディスク
・タイヤ:(前)235/45R20、(後)255/40R20
・ホイール:(前)8.0Jx20、(後)9.0Jx20

Gallery 【画像】ボルボらしくない加速を披露する「C40リチャージ」を写真で見る(31枚)
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