打倒フェラーリ&ランボ! 新型「コルベット」はお値段半分以下でスーパースポーツとして一級品でした
リアミッドとフロントエンジン、どちらが「コルベット」らしい?
そして、同じような刺激と一緒に感銘まで与えてくれたのは、“曲がる”ということに関する一連の所作だ。ステアリングを切り込んでいくと、素早く素直に自分中心にクルマの向きが変わる出来のいいミドシップらしい曲がり方を楽しめる。
そのときのクルマの動きは快いほど俊敏で軽やかなのに軽薄さがなく、重心の低さとリア周りの安定感をドライバーに伝えながら、躊躇ったり戸惑ったりするような気配もなく、正確にコーナーを抜けていく感じ。

●スーパースポーツカーとして、間違いなく一級品
いかなるときも前輪の存在をしっかり感じさせてくれるステアリングも素晴らしい。もちろん速い。めちゃめちゃ速い。けれど、その速さを突きつけられて焦ったような気持ちになることがないのは、後輪を路面にドシッと据えて路面を踏みしめ、一気に弾けてしまうような危うい感覚を伝えてくれることがまずないからだ。ドライの路面でリアを滑らせるには、ドライバーは色々な意味で相当に頑張らないといけないだろう。
が、この日に向かった峠道は途中から小雨が落ちてきて、自然吸気の大排気量V8が生むダイナミックという言葉ではたりない力の盛り上がりと強靱な後ろ足が路面を蹴り出す様と鋭く気持ちよく車体が身を翻す様を、途中から味わいにくくなってしまった。
ステアリングを切り込むタイミングを少しミスれば滑り、アクセルペダルの力加減をミスれば滑り、である。にも関わらずこのミドシップは、滑り出しが比較的穏やかで判りやすく、その先でドライバーがステアリングやアクセルペダルでコントロールする余地をちゃんとこしらえてくれてるのである。
その従順さは、おそらくこのクルマの基本的な特性。例えばサーキットのようなところに持ち込んでドライで走っても、大きなズレはないんじゃないかと予想できる。
いや、驚いた。コルベットのロードカー初のミドシップの出来映えは、いきなり成熟の域に達してるようなものだったのだ。ヨーロッパのライバルたちに引けを取ってるようなところも、何ひとつ見つからなかった。スーパースポーツカーとして、間違いなく一級品だ。にも関わらず価格が半分とか3分の1だったりするのは、驚異的だとお伝えするしかない。
僕の中のコルベット像としては今でも“気持ちよく伸びる長いノーズの下の自然吸気V8ユニットと後輪駆動”であるところが強いし、昔から憧れているスポーツカーの1台に第3世代のコルベットがあってそれも不動のままなのだけど、実際のところこのミドシップのコルベットC8にも、僕はすでに思い切り魅せられている。
頼むからフロントエンジン+後輪駆動のコルベットとミドシップのコルベット、どっちがいいのだ? なんて絶対に訊ねないで欲しい……。
●CHEVROLET CORVETTE Coupe 3LT
シボレー・コルベット・クーペ3LT
・車両価格(消費税込):1500万円〜
・全長:4630mm
・全幅:1940mm
・全高:1225mm
・ホイールベース:2725mm
・車両重量:1670kg
・エンジン形式:V8気筒OHV
・排気量:6156cc
・エンジン配置:リアミッド縦置き
・駆動方式:後輪駆動
・変速機:8速AT
・最高出力:502ps/6450rpm
・最大トルク:637Nm/5150rpm
・0-97km/h:2.9秒
・最高速度:312km/h
・燃料タンク容量:70L
・サスペンション:(前)ダブルウィッシュボーン式、(後)ダブルウィッシュボーン式
・ブレーキ:(前)ベンチレーテッド・ディスク、(後)ベンチレーテッド・ディスク
・タイヤ:(前)245/35ZR19、(後)305/30ZR20
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