VAGUE(ヴァーグ)

スイッチひとつで走りがキャラ変! VW「パサートヴァリアント」のPHEVは使い勝手も一級品

EVとエンジン車という二面性を備えた走行フィール

 パサート GTE ヴァリアントは、実用性に優れるステーションワゴンのボディに、156psを発生する1.4リッターターボエンジンと116psの電気モーターを搭載。そこに、外部充電が可能な駆動用リチウムイオンバッテリーを組み合わせる。その容量は従来モデルの9.9kWhから13.0kWhへと30%ほどアップしている

 その結果、満充電状態からエンジンを止めたままで走行できる“EV走行換算距離”が、従来モデルの51.7kmから57kmへと伸びだ。日本では、1日の走行距離が50km未満という人がほとんどだというから、自宅で充電をおこなうという前提はあるものの、多くの人が日常的な移動はガソリンを消費せずにこなせてしまう。

EVとエンジン車の魅力をあわせ持つVW「パサート GTE ヴァリアント」
EVとエンジン車の魅力をあわせ持つVW「パサート GTE ヴァリアント」

 確かに、そうした利便性やエコ性能もパサート GTE ヴァリアントの魅力のひとつではあるのだが、実はこのモデルの最大のポイントは、むしろPHEVならではの走り味にある。何しろ“先進的なEV”のような一面と、“ドライブするのが楽しいエンジン車”という二面性を備えているのだ。

 パサート GTE ヴァリアントは「EVモード」、「ハイブリッドモード」、「GTEモード」という3タイプの走行モードを任意にセレクトできるが、エンジンを止めた状態で走る「EVモード」と、モーターとエンジンをフル活用し、最大パワーを発生させる「GTEモード」とでは、走行フィールに大きな差が出る。その振れ幅の大きさに驚かされるほど、キャラクターが変化するのだ。

 バッテリーがしっかり充電されているときに使える「EVモード」は、とにかくスマート。エンジンに起因する音や振動がないため、乗り味はまるでEVのようであり、スーッと加速していくモーター駆動車ならではのなめらかさを味わえる。

 しかも、そこからスピードを高めていっても、エンジンがなかなか始動しないことに驚いた。確認したところ、モーター走行時の最高速度は日本の制限速度を上回る。どおりでエンジンがかからないはずだ。疑似的なEVとしての能力はかなり高いといえるだろう。

 一方、その対極にあるのが「GTEモード」である。発進時を除いてエンジンが回りっぱなしとなるため、モーター駆動車であることをまったく意識させない。音もパワーの盛り上がりもピュアエンジン車のそれと同等で、「本当にモーターがついているのか?」というくらい、ちょっとした荒々しさもある。GT(GTE=GT+Electric)を名乗るだけの速さもしっかり備わっている。

 ちなみに「ハイブリッドモード」はそれらの中間で、エンジンとモーターを効率よく活用し、回生エネルギーによるバッテリー充電もおこないながら燃費を高める制御となる。数あるPHEVのなかで、走行モードによって走りのキャラクターがここまで変化するモデルも珍しい。

 このように、走りにまつわるトピックが充実しているパサート GTE ヴァリアントだが、広いラゲッジスペースなど実用性の高さも魅力的。駆動用バッテリーの搭載によって荷室床下の収納部は狭くなっているものの、ベースとなったパサート ヴァリアント自体、そもそも広大なラゲッジスペースが自慢のモデルであるため、気にする要素は一切ない。パッケージングも巧みなモデルといえるだろう。

* * *

 昨今のVWは、EVの開発やラインナップ充実に注力している。しかし、その一方、パサート GTE ヴァリアントのように、エンジンを積んだクルマならではの走りの楽しさを前面に打ち出したPHEVを世に送り出してくるのだから興味深い。

 あくまで筆者の予想に過ぎないが、おそらくVWの内部には、エンジン車を名残惜しく感じている開発者が少なくなく、「せっかくエンジンを積んでいるのだから、その楽しさを引き出そう」と考えながら、このモデルをつくり込んできたのではないだろうか。パサート GTE ヴァリアントのユニークな走り味を堪能しながら、思わずそんなことを考えた。

●Volkswagen Passat GTE Variant Advance
フォルクスワーゲン パサート GTE ヴァリアント アドバンス
・車両価格(消費税込):683万8000円
・全長:4785mm
・全幅:1830mm
・全高:1510mm
・ホイールベース:2790mm
・車両重量:1770kg
・エンジン形式:直列4気筒DOHC+ターボ
・排気量:1394cc
・駆動方式:FWD
・エンジン最高出力:156ps/5000〜6000rpm
・エンジン最大トルク:250Nm/1550〜3500rpm
・モーター最高出力:116ps
・モーター最大トルク:330Nm
・ハイブリッド燃料消費率(WLTC):15.9km/L
・EV走行換算距離(等値EVレンジ):57km
・サスペンション:(前)ストラット式、(後)4リンク式
・ブレーキ:(前)ベンチレーテッド・ディスク、(後)ディスク
・タイヤ:(前)235/45R18、(後)235/45R18

Gallery 【画像】キャラ変する走り味と使い勝手が魅力の「パサートGTEヴァリアント」を見る(25枚)
「2段あたため」レンジがすごすぎるっ!? 最新レンジを徹底紹介

page

  • 1
  • 2

VAGUEからのオススメ

ポータブル電源が都心で過ごす夜を変える──Jackeryがかなえる“オフグリッド”なスポーツ観戦【PR】

ポータブル電源が都心で過ごす夜を変える──Jackeryがかなえる“オフグリッド”なスポーツ観戦【PR】

RECOMMEND