シトロエンらしさは健在? 新型「C5X」ガソリンエンジン仕様の実力とは? 遅れて来るPHEV版との違いは?
ガソリンエンジンはトップ、PHEVはトップ・オブ・トップの乗り心地
アクティブサスペンションを持たないC5Xガソリンエンジン仕様の乗り心地は、路面の凹凸のひとつひとつを衝撃ではなく快いかすかな刺激として乗員に伝える。

ふわっとした感触があるのにふにゃふにゃしてない優しいフィーリングは、基本、PHEV版の足に対してかなり近似値にある。つまり、絶品といっていい部類である。500万円前後で、これ以上乗り心地の“気持ちよさ”を持つクルマを、僕は知らない。600km走ってこんなに疲れが少ないクルマも、そうそうあるもんじゃない。もちろんPHEVのアクティブサスペンションの方がより洗練されてるけれど、電子制御なしにこの乗り味を実現してることは賞賛に値すると思う。
とはいえ、この乗り味においてもPHEVとの違いがごくごくわずかながらあって、ガソリンエンジン仕様は街中や郊外あたりを走る速度域で路面の荒れた場所を通過するとき、かすかではあるがいわゆるバネ下あたりからザラザラした感じが伝わってくることがある。もちろん、多くの人は「乗り心地いいなぁ……」と感じるだろうレベルだけど、シトロエン好きの“乗り心地フェチ”のような人にとっては「んっ?」と気になるかもしれない。それはおそらく、タイヤとホイールをインチダウンしたりすると解決するレベルのことなのかもしれないが、車重がガソリンエンジン仕様より300kgほど重いPHEVは、その重さが良好に作用してバネ下のザラつきを抑え、さらにスウィートな乗り心地を味わわせてくれるのだ。
前回のレポートでは、PHEVの乗り心地を“歴代シトロエンのトップ・オブ・トップ”とお伝えしたが、ガソリンエンジン仕様はトップ、PHEVはトップ・オブ・トップだと思っていただければいいと思う。誤解しないでいただきたいが、僕はガソリンエンジン仕様をダメだと思っていないし、否定する気もないし、むしろシトロエンとして満足できるクルマだと感じてる。十分どころか十分以上、だ。僕が述べた両車の違いは、人によっては気にならないレベルといってもいいかもしれない。ガソリンエンジン仕様を選んでも後悔はないだろうと冒頭に記したのは、そういう些細な違いだからだ。
ということで、ショールームでガソリンエンジン仕様のC5Xに試乗して大いに感銘を受けたなら、そのまま選んでいいと思うし、どうしても最良中の最良といえる乗り心地が欲しいなら、上陸時期は未定だがPHEVを待ち、乗り比べてから決めるのが賢明だろう。いずれにせよ、悩ましい決断になるとは思うけれど……。
●CITROËN C5X SHINE PACK
シトロエン C5X シャイン パック
・車両価格(消費税込):530万円
・全長:4805mm
・全幅:1865mm
・全高:1490mm
・ホイールベース:2785mm
・車両重量:1520kg
・エンジン形式:直列4気筒DOHCターボ
・排気量:1598cc
・駆動方式:FWD
・変速機:8速AT
・最高出力:180ps/5500rpm
・最大トルク:250Nm/1650rpm
・サスペンション:(前)ストラット式、(後)トーションビーム式
・ブレーキ:(前)ベンチレーテッド・ディスク、(後)ディスク
・タイヤ:(前)205/55R19、(後)205/55R19
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