発売3年ですでに世界販売10万台突破! 最新モデルに乗ってわかったポルシェ「タイカン」の“見えざる進化”とは?
熟成されスムーズな足回りに
デビュー当時のタイカンは、車体をとにかくフラットに保つことに重きを置いているように感じられました。
それでも、路面から伝わる細かな振動は見事に遮断されていたので不快には思いませんでしたが、個人的には、コーナリング時にもフラットな姿勢を保ち続けるためにタイヤのグリップ限界を掴みづらく、このため安心してコーナーを攻めるのが難しいと感じていました。また、この傾向は高性能版のターボやターボSでより顕著でした。

今回のイベントでは2台のタイカンに試乗できました。1台はスポーツリムジンと呼ばれるオリジナルボディのGTS、そしてもう1台はシューティングブレイクを思わせるスポーツツーリスモのターボです。
GTSに乗って、数100mほど走っただけで、足回りの設定が大きく変わったことが実感できました。とにかく、これまでとは比べものにならないくらい、足回りがスムーズに動くようになったのです。おかげで、これまで以上に乗り心地が快適になったうえに、コーナーに進入する際のブレーキングや操舵に応じてクルマの姿勢が自然に変化するため、これまで以上にタイヤのグリップ状態がわかりやすくなりました。
それとともに驚いたのが、ステアリングを通じて感じられるインフォメーションが豊富になったことです。これが、サスペンションが変わったことによるものか、それともパワーステアリングの設定が変更された影響なのかはわかりませんが、いままで以上に自信を持ってコーナーに進入できるようになったことは間違いありません。こうして、足回りが見直された新しいタイカンに、私はすっかり心を奪われてしまいました。
もう1台のターボも足回りの味付けは同じ方向性でしたが、足回りはGTSよりもさらにしなやかに感じられました。スポーツドライビングにフォーカスしたGTSに対して、ターボはより豪華で快適なロングクルーザーと解釈することができるので、2台の足回りのキャラクターは、私には理にかなったものに思えました。
GTSで598馬力、ターボで680馬力(いずれもローンチコントロールのオーバーブースト時)を生み出すモーターは、相変わらずとてつもなくパワフルですが、意図しないパワーが唐突に生み出されることはないので安心。もちろん、普段遣いのシーンで扱いにくいと感じることもありません。
ソフトウェアが見直された2023年モデルの航続距離はスポーツリムジンGTSが504kmでスポーツツーリスモ・ターボが491km。どちらにしても十分以上のスペックであることは、いうまでもないでしょう。
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