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マセラティ初のコンパクトSUVに“らしさ”は感じる? 新型「グレカーレ」のライバルにはない魅力とは

大人4名とその荷物を積んで快適に移動できるゆとりのキャビン

 そんなグレカーレのデリバリーが、ついに日本でも始まった。その第一印象は「意外と小さくないな」というもの。むしろ「結構大きいな」という思いが強かった。

マセラティらしいスポーティなルックスや刺激的な走りと、高級車ならではの快適性や上質さが1台に凝縮されたコンパクトSUV「グレカーレ」
マセラティらしいスポーティなルックスや刺激的な走りと、高級車ならではの快適性や上質さが1台に凝縮されたコンパクトSUV「グレカーレ」

 あらためてスペックを確認すると、今回試乗した「GT」グレードの全長は4846mm、全幅は1948mmだ。これはポルシェのカイエンよりわずかに小さい程度で、日本車でいえばトヨタ「ランドクルーザー プラド」より大きい。「レヴァンテより小さい“Dセグメント”のSUV」と聞いていたし、写真でもコンパクトに見えるから、勝手にメルセデス・ベンツ「GLC」やトヨタ「ハリアー」くらいのサイズをイメージしていたら、完全にひと回り大きい車体で驚いた。やはり、クルマは実物を見ないと語れない。

 同時に感じたのは、「たたずまいはマセラティらしいな」というもの。低い位置に配置した、縦桟を組み合わせた伝統的なフロントグリルにはじまり、印象的な形状のヘッドライトを組み合わせたスポーティなフロントマスク、鍛え上げた筋肉のように有機的な張り出しを見せるダイナミックなフェンダー、さらに軽快なリアビューと、全身に躍動感あふれるスタイルは、SUVのプロポーションを持つスポーツカーに見える。

 そんなグレカーレのパワートレインは、2リッター4気筒ターボのマイルドハイブリッドが2タイプ(300ps仕様と330ps仕様)と、3リッターV6ターボエンジンの全3タイプ。それぞれ、エンジンを縦向きに搭載する後輪駆動ベースのシャシーと組み合わせる。

 駆動方式はすべてのグレードが4WDで、通常はすべてのパワーを後輪で受け止めつつ、必要があれば最大5割まで前輪へとトルクを配分する。そうしたメカニズムを見ても、スポーツカーブランドならではのこだわりが貫かれていることが伝わってくる。

 インテリアはスポーティな仕立てでありながら、先進性の高さに感心させられる。例えば、エンジンスターターまで含めて物理スイッチは、ステアリング周辺に集中的にレイアウト。一方、センタークラスターに大きなタッチ式ディスプレイを2枚組み込み、エアコンやオーディオ/ナビだけでなく、ライト類やシート、サスペンションなど、多彩な操作をディスプレイ上でおこなえるようにしている。

マセラティらしいスポーティなルックスや刺激的な走りと、高級車ならではの快適性や上質さが1台に凝縮されたコンパクトSUV「グレカーレ」
マセラティらしいスポーティなルックスや刺激的な走りと、高級車ならではの快適性や上質さが1台に凝縮されたコンパクトSUV「グレカーレ」

 乗り込んでみて「シフトセレクターが見当たらない……」と思ったら、2枚のディスプレイの間にボタン式のものが組み込まれていた。また、インパネ中央の丸いクロックも、アナログ時計と見せかけておきながら実は液晶式で、Gメーターやアクセル/ブレーキペダルの踏み込み量を表示できるなど、ギミックもかなりユニーク。マセラティが遊び心を持ったブランドだということをあらためて実感した。

 加えて、ボディサイズがそれなりに大きいため当然といえば当然だが、リアシートやラゲッジスペースが広々としているのも新たな発見だった。荷室容量はグレードによって異なるが、535〜570リットルも確保されている(マイルドハイブリッド仕様はバッテリーを積む影響で少し小さい)。

 一般的にスポーティなSUVは実用性が低いと思われがちだ。しかし、グレカーレにはそれが当てはまらない。大人4名が快適に移動でき、その人数に見合うだけの荷物を積んでドライブ旅行をこなせる実力派である。

Nextアクセルを踏み込むと野生を感じさせる豪快な走りへと性格が一変
Gallery 【画像】コンパクトSUVであっても“マセラティらしさ”は濃密「グレカーレGT」を写真で見る(36枚)

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