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マセラティ初のコンパクトSUVに“らしさ”は感じる? 新型「グレカーレ」のライバルにはない魅力とは

アクセルを踏み込むと野生を感じさせる豪快な走りへと性格が一変

 そんなグレカーレで最も気になるのは、やはり走りだろう。そのドライブフィールは「静寂」と「野獣」を兼ね備えたものだった。

マセラティらしいスポーティなルックスや刺激的な走りと、高級車ならではの快適性や上質さが1台に凝縮されたコンパクトSUV「グレカーレ」
マセラティらしいスポーティなルックスや刺激的な走りと、高級車ならではの快適性や上質さが1台に凝縮されたコンパクトSUV「グレカーレ」

 今回試乗したGTは、3種類用意される中で最もベーシックなグレード。パワートレインは2リッターターボエンジンに小型モーターを組み合わせたマイルドハイブリッドで、最高出力は300psを発生する。

 アクセルを深く踏み込まない日常領域では、スポーツモデルであることの主張は控えめだ。静かでスムーズ、そしてキャビンは静寂に包まれ、高級サルーンのように快適に移動できる。

 しかし、ひとたびアクセルペダルを深く踏み込むと性格が激変。秘めていたもうひとつのキャラクターが顔を出す。肉食動物が吠えているかのような迫力のエンジン音や排気音が聞こえてきて、エンジンのフィールもエネルギッシュさが炸裂。本能が目を覚ました猛獣のように、野生を感じさせるあたりはさすがマセラティといったところだ。

 低回転域でのトルクは排気量なりだが、エンジンを回すとパワーがわき出してきて性格が入れ替わったかのように元気になる。いうなればそれは、エンジンを回す歓びを知るドライバーのための味つけといっていいだろう。

 対するハンドリングはシャープで、SUVをドライブしていることを忘れそうになるほど。この点においても、マセラティというブランドへの期待を裏切ることはない。SUVであり、ボディサイズも他のラインナップと比べてはコンパクトだが、グレカーレはまごうことなきマセラティといえる1台に仕上がっていた。

 さて、ベーシックグレードでもここまでドライバーを熱くさせるのだから、期待せずにいられないのがトップグレードの「トロフェオ」だ。マセラティのスーパーカー「MC20」に搭載される“ネットゥーノエンジン”がベースのV6エンジンを組み合わせ、最高出力は530ps、最大トルクは620Nmを発生。最高速度は285km/hに達する超高性能仕様である。きっとその走りは、異次元の領域にあることは想像にかたくない。そんなトロフェオのステアリングを握れる日が来るのが楽しみだ。

●Maserati GRECALE GT
 マセラティ グレカーレ GT
・車両価格(消費税込):862万円
・全長:4846mm
・全幅:1948mm
・全高:1670mm
・ホイールベース:2901mm
・車両重量:1870kg
・エンジン形式:直列4気筒SOHCターボ+モーター
・排気量:1995cc
・変速機:8速AT
・最高出力:300ps/5750rpm
・最大トルク:450Nm/2000〜4000rpm
・駆動方式:4WD
・サスペンション:(前)ダブルウイッシュボーン式、(後)マルチリンク式
・ブレーキ:(前)ベンチレーテッドディスク、(後)ベンチレーテッドディスク
・タイヤ:(前)255/45R20、(後)295/40R20

Gallery 【画像】コンパクトSUVであっても“マセラティらしさ”は濃密「グレカーレGT」を写真で見る(36枚)

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