マセラティ初のコンパクトSUVに“らしさ”は感じる? 新型「グレカーレ」のライバルにはない魅力とは
マセラティ第2のSUVは“地中海に吹く北東風”
ついに日本でのデリバリーが始まったマセラティの新型SUV「グレカーレ」。マセラティといえばイタリアの高級スポーツカーブランドだが、コンパクトSUVでも“らしさ”は感じられるだろうか? エントリーグレードの「GT」に乗って確かめた。

21世紀の幕開けとともに盛り上がった新世代のSUVブームには、かつてのそれとは異なるふたつの特徴がある。ひとつは、オフロードではなくオンロードにおけるスポーティな走りを重視したモデルが多いこと。そしてもうひとつは、プレミアムブランドがSUVマーケットへ本格参入したことだ。
ひとつ目の特徴は、新世代SUVブームのきっかけとなったモデルが2000年にデビューしたBMW「X5」や2002年登場のポルシェ「カイエン」だと考えればわかりやすい。それらトレンドセッターが高い人気を獲得したこともあり、SUVといえどもオフローダーではなく、オンロードでの操縦性や快適性を重視したモデルが今やラインナップの中心となったのはご存じのとおりだ。
そんな新世代SUVブームは世界的な流行となり、それまでSUVとは無縁だった多くのハイブランドをマーケットへと引きずり込んだ。その一例が、「ベンテイガ」を生み出したベントレーや「カリナン」を世に送り出したロールスロイスだし、「ウルス」を開発したスーパーカーブランドのランボルギーニだって同様だ。
イタリアのマセラティも、その流れに乗ったハイブランドのひとつである。同社の歴史は市販車のレーシングチューンからスタートしたこともあり、マセラティはこれまで速さを競ったりドライビングプレジャーを味わわせたりするようなスポーツカーを多数生み出してきた。
そんなマセラティが満を持してSUVマーケットへと参入してきたのは2016年のこと。全長5mを超えるフルサイズSUV「レヴァンテ」を市場投入した。その優れた走行性能と、刺激的なエンジンが奏でる快音がもたらしてくれる官能性の高さから、「SUVとはいえ、さすがはマセラティ」との高評価を得た。
しかし、SUVマーケットの売れ筋がコンパクトクラスやミディアムクラスへとシフトしている昨今、「レヴァンテでは大きすぎる」という声が多かったのも事実である。そこで生まれた“マセラティ第2のSUV”が、コンパクトなグレカーレというわけだ。

ちなみにグレカーレという車名の由来は、“地中海に吹く北東風”を指すイタリア語。マセラティは風にまつわる名称を車名につけることが多いが、グレカーレもまさにそのお作法を踏まえている。
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