一番身近なマセラティの実力とは? ミッドサイズSUV「グレカーレ」はエレガントで官能的! 刺激に満ちた走りが気持ちいい
電動過給システムを備えた2リッター直列4気筒ターボ
最初にドライブしたのは、エントリーグレードの「GT」。唯一1000万円を下回る922万円(消費税込)という価格設定が魅力のモデルです。

しかし実際のところは、このエントリーグレードで十分満足できるでしょう。例えばインテリアは、上級グレードと比べると素材使いや装備内容に多少の差がありますが、眼に喧(かまびす)しくない印象のラグジュアリーな空間、という意味では全く同じです。
今回の試乗車は、ダークトーンで統一されたインテリアだったのでよりハッキリと感じられたのですが、レザー、メタル、ウッドという異素材の組み合わせ、それに素材によって異なるトーンの濃淡のあしらい方が実に巧みで、デザイナーのテクニックやセンスのよさを感じられます。
グレカーレのプラットフォームは、アルファロメオの「ジュリア」や「ステルヴィオ」と基本設計を同じくする“ジョルジオ”と呼ばれる軽量・高剛性なもの。とはいえ、グレカーレの方が見た目でも数値の上でもホイールベースが長く、トレッドもワイド。明らかに設計を共有しているだけで、別物だということが分かります。
グレカーレは、車体がステルヴィオより長くてワイドで、けれど車高はわずかに低いこともあり、シルエットはSUVとしてかなりスポーティ。昨今のマセラティらしいムダのない線構成、「MC20」や「グラントゥーリズモ」と同様、格式は感じさせるけれど威圧してこないジェントルな顔つき、要所にのみ散りばめられた凝ったディテールなどがエレガンスを感じさせます。
グレカーレGTが搭載するパワートレインは、2リッター直列4気筒ターボを核とするマイルドハイブリッド。特徴的なのは、「ギブリ ハイブリッド」などと同様の“ベルトドリブンスタータージェネレーター”のほかに、“eブースター”、つまり一種の電動過給システムを持つことでしょう。
ターボチャーチャーが得意としない低回転域などは圧縮空気を過給することで、ハイレスポンスを実現。さらに、パワーとトルクを稼ぎ出そうとする仕組みです。
ざっくり説明するなら、ゼロ発進時にはエンジン+モーター、ターボチャージャーが本気を出すまではeブースターが過給を担い、ターボがしっかり働く頃にバトンタッチするという流れ。ちなみに「スポーツ」モードの際には、ターボと並行してeブースターでも過給をするのだとか。この辺りを見ても、マセラティがどれだけ走りにこだわっているかがうかがえるでしょう。
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