一番身近なマセラティの実力とは? ミッドサイズSUV「グレカーレ」はエレガントで官能的! 刺激に満ちた走りが気持ちいい
「GT」はベースグレードとは思えないスペック以上の速さ
実際、「GT」を走らせてみると、「これって本当にベースグレード?」と驚かされました。スペック的には、最高出力300ps/5750rpm、最大トルク450Nm/2000rpmと、車格を考えると少し物足りなく感じますが、その心配は全く的外れ、とでもいうように、速い速い! 数字以上の速さです。

アウトプットは低回転域から十分以上にたくましく、とにかくスムースでレスポンスよく、吹け上がりも素早い上に伸びもある。もちろん、ターボラグなんて微塵も感じられません。「本当に2リッターの直4?」、「本当に300ps?」と疑いたくなるほどのパワートレインです。
その上、サウンドがマセラティらしく、軽くゾクッとするような音色を奏でてくれるのも喜ばしいところ。いや、もうこれで十分でしょう。
それを受けとめてくれるシャシーの方も、「お見事!」と絶賛したくなるような振る舞いを見せてくれました。
4気筒エンジンで鼻先が軽いこともあって、その動きはシャープです。だからといって、ステルヴィオの刺すような鋭さではなく、“適度に”という言葉をつけるべきかどうか迷うくらいのシャープさ。とにかく、ステアリング操作に対して正確に反応しつつ、軽やかに車体の向きを変え、しっかり腰を粘らせながら素早くしなやかにターンを決めていく感じです。とても柔順だし、とてもなめらかで、粗野な感じなど微塵もありません。
ステアリングフィールもなかなか素晴らしく、路面の表情やタイヤの様子をつかみやすいのも、好印象の大きな要素でしょう。曲がるという作業がとても楽しく、素晴らしく気持ちいい。予想を大きく超えるフィーリングでした。
それでいて、乗り心地も基本的には良好で、50km/hを越えた辺りからのフラット感は、さすがラグジュアリーなクルマづくりに長けたメーカーの作品と思えるほど。
けれど、低速域ではちょっとばかり、コツコツとした感触を感じる場面がありました。試乗車にはオプションの20インチタイヤが装着されていたのですが、標準の19インチの方が、もしかしたらマッチングがいいのかもしれません。
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