ドライバーの心をつかむ「刺激的な音と乗り味」! アバルト「500e」の小さなボディに凝縮された「操る歓び」は日本の公道で引き出せるのか?
ワインディングロードを堪能させるべく生まれてきた!?
そうしたアバルト500eの刺激の強さは、当然ながら日本の道でも満喫できます。

発進加速、交差点からの立ち上がり加速、追い越し加速、そしてワインディングロードでの加減速……そうした場面では、明らかに内燃エンジン車である695を凌駕しています。
アクセルペダルを踏んで間髪入れずになんの抵抗もなくスパーッと加速していく様は、もう気持ちいい! のひと言。EVは基本、こうしたシチュエーションを苦手としないものですが、サソリ印のこのモデルはそこが一段とクッキリしていて、思わずニヤリとさせられます。この点に関して不満を覚える人は、まずいないでしょう。
そして中間加速の速さは、そのままコーナーから脱出するときの加速の速さにもつながるわけです。ならばコーナーはどうかといえば、これがまた絶妙なのです。
ベースモデルであるフィアット500eの段階で、重心が低く前後左右の重量バランスに優れたシャシーが出来上がっていたので、アバルト版はスプリングのレートとダンパーの減衰を引き締めた程度のチューンナップだけでOKだった、とエンジニアから聞かされたのですが、いやいや、とてもそれだけとは思えません。とにかく、コーナーを曲がることがめちゃめちゃ楽しいのです。
ノーズはすばやくなめらかに、そして鋭く曲がりたい方向へと正確に向かい、コーナリング中はずっと安定して速く、出口でのアンダーステアも驚くほど少ない。それには、1300kg台とEVにしてはかなり軽い車体や、ブリヂストンとの共同開発でこのクルマの車重や基本特性に合わせてつくられた専用タイヤが抜群の効きを見せてることも、ディスク化されたリアブレーキの貢献も無視できないわけですが、まるでワインディングロードを堪能させるために生まれてきたようなEV、と表現しても過言じゃないでしょう。
僕がクルマを試乗する際、必ず走る“ウネウネ道”に持ち込んでみると、内燃エンジン車である695では次のコーナーに向けての脱出時にパワーとトルクがついてくるのを待たなきゃならないのに対し、電動サソリは全くためらいなしにスパッと加速していきます。しかも、“超”をつけたいくらい爽快に。
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