ドライバーの心をつかむ「刺激的な音と乗り味」! アバルト「500e」の小さなボディに凝縮された「操る歓び」は日本の公道で引き出せるのか?
スポーツ系EVのトレンドになりそうなサウンド機能
さらには、6000時間、つまり概算で2年半もの時間をかけて開発されたサウンドジェネレーターが、望外に素晴らしい効果を生み出してくれます。

アバルトならではの“レコードモンツァ・エキゾースト”に酷似したサウンドをペダル操作に全くの遅れなしにレスポンスよく響かせてくれるので、気持ちも高揚しますし、何よりドライビングのリズムをつくりやすいのです。
ちなみにこの機能、オン/オフの切り替えができるので、おだやかに走るときはオフ、攻めた走りを楽しみたいときにはオンと使い分けができるのがうれしいところですが、スポーティに走りたいときにはサウンドの効果を無視できないと考えた辺り、やっぱりアバルトだな、と強く感じます。
このサウンド機能に関しては、これから登場してくるだろう他のスポーツ系EVのトレンドになっていくのでは? と予想しています。
軽自動車よりちょっと大きい程度のコンパクトEVに、これほどのドライビング・エンターテインメントが詰まっているとは! 内燃エンジン車である695も弾けるような走りっぷりで強烈な刺激を味わわせてくれますが、電動サソリも楽しさや気持ちよさの総量では全く負けていません。
乗り心地が695と比べてだいぶ優しいとか、ドライバビリティに優れたところがあるなど、EVらしい洗練を感じさせながらも、そこはやっぱりアバルト謹製。“EV=クール”では決してなく、きっちりと“EV=ホット”という新境地を開いたように思います。
* * *
生活環境の面から、僕は「いずれ……」という言葉を使わざるを得ないのですが、イタリアで初めて走らせた直後に感じた「初めてEVを心の底から欲しいと思った」という驚き混じりの思いは、今も全く変わっていません。
●ABARTH 500e Turismo Cabriolet
アバルト 500e ツーリズモ カブリオレ
・車両価格(消費税込):645万円
・全長:3675mm
・全幅:1685mm
・全高:1520mm
・ホイールベース:2320mm
・駆動方式:FWD
・電気モーター:交流同期電動機
・最高出力:155ps/5000rpm
・最大トルク:235Nm/2000rpm
・駆動用バッテリー総電力量:42kWh
・サスペンション:(前)ストラット式、(後)トーションビーム式
・ブレーキ:(前)ディスク、(後)ディスク
・タイヤ:(前)205/40R18、(後)205/40R18
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