VAGUE(ヴァーグ)

「純血アルピナの集大成」はまさに理想のグランツーリスモ! 529馬力の直6ツインターボを搭載する「B3 GT」の走り味とは

扱いやすいのにスッキリ爽快なハンドリング

 そんな「B3 GT」のハンドリングは、直6を搭載しながらノーズの入り方が4気筒エンジン車級に良好なことと、リアの鉄壁のスタビリティが共存していることに驚きます。この辺りは、車体剛性の最適化に合わせた再セットアップが効いているのでしょう。

アルピナ「B3 GT」
アルピナ「B3 GT」

 姿勢変化は「B3」よりも抑えられていますが、ロールを上手にコントロールしながらサスペンションを巧みに沈み込ませ、クルマ全体で曲がっていく感じは変わらず。

 ただし、その際にクルマから伝わってくる情報がよりクリアかつ正確なので一体感やコントロール性が増しており、結果として“扱いやすいのにスッキリ爽快なハンドリング”だと感じました。個人的には、「B3」よりも“駆けぬけたくなる”要素が多めだと思います。

 そんな「B3 GT」の乗り心地は、しなやかな足さばきと正確な路面からの入力の伝わり方、人間の波長に合った減衰具合などから、20インチのタイヤ&ホイールを履いていることを忘れてしまうほどの快適さ。ただし走り味と同じく、「B3」と比べればソリッドな印象が強まっています。

 ちなみに、ドライブモードに連動してサスペンションの味つけは変わります。

「コンフォート・プラス」モードは“ちょっと引き締められたフランス車”のよう。デフォルトの「コンフォート」モードは“フラットライドな万能グランツーリスモ”的。そして「スポーツ」モードは“クールなピュアスポーツ”風といった具合にそれぞれの違いは明確ですが、個人的には足のセットアップは1種類で、速度域や用途に合わせ、例えば、ボディコントロールや入力の収め方、そして収める時間などをアジャストしているのではないかと分析しています。

アルピナ「B3 GT」
アルピナ「B3 GT」

 そんな「B3 GT」で驚きだったのは、タイヤの指定空気圧がなんとデフォルトで3.4バールという高さだったこと。ちなみに前身の「B3」は、250km/h以下では2.7バール、それ以上の速度域では3.4バールでした。

 なぜこれほど指定空気圧が高いのか? それは、5名乗車時でも巡航最高速で安全に走り続けるため、だといいます。しかも、この高い空気圧ながら上質な乗り心地を実現できている辺りは、素直に「なぜだ?」と思います。

「B3 GT」の上質な乗り心地は、サスペンションやタイヤ&ホイールだけでもたらされるものではなく、AWD制御やボディ、ブッシュなど、総合的なバランスによって成り立っているものなのでしょう。

* * *

 総じていうと、「B3 GT」はアルピナが目指してきた“真のグランツーリスモ”に対するひとつの集大成であると同時に、アルピナの原点であるモータースポーツへの想いも込められた1台であると感じました。

 現時点でまだ発注可能ですが(多くの人がステーションワゴン版の「B3 GT ツーリング」をセレクトしているのだとか)、残念ながら本当に、次の“純血”アルピナは存在しません。迷っている暇などないのです。

“味”で勝負できる最後のクルマであるアルピナ「B3 GT」は、多くのクルマ好きにぜひご賞味いただきたい1台です。

Gallery 【画像】「えっ!…」フィナーレ間近でも進化の手を止めない! これがクルマ好き必見のアルピナ「B3 GT」です(30枚以上)
「2段あたため」レンジがすごすぎるっ!? 最新レンジを徹底紹介

page

  • 1
  • 2

VAGUEからのオススメ

浅草発マイクロブランドの真価――クロノス広田雅将×ウォッチディレクター渡辺雅己が語る「誠実な時計づくり」とは【PR】

浅草発マイクロブランドの真価――クロノス広田雅将×ウォッチディレクター渡辺雅己が語る「誠実な時計づくり」とは【PR】

RECOMMEND