“純血アルピナ”のラストを飾る“グランツーリスモ”の理想形! セダン&ワゴンとはひと味違う流麗な4ドアクーペ「B4 GT」の走りとは?
駆けぬけたくなる歓びがさらに高まった絶品のチューニング
フットワークはどうでしょう? 「B3 GT」と同じく、コアサポートとストラットとをつなぐ“ドーム・バルクヘッド・レインフォースメント・ストラット”の採用により、バネ、ダンパー、スタビライザーなどはすべてセットアップし直されています。

ちなみに、プラットフォームは「B3 GT」、「B4 GT」とも共通の“CLARプラットフォーム”ですが、「B4 GT」は基本素性(ワイドトレッド)や車体剛性(ベースの「4シリーズ グランクーペ」は電気自動車モデルを用意する関係からフロアまわりが強固)が「B3 GT」より有利のため、その辺りも考慮した味つけになっているそうです。
ちなみにタイヤは、「B3 GT」と同じくアルピナ専用スペックのピレリ「P-ZERO」を履きますが、サイズはフロントが255/35ZR20、リアが285/30ZR20と、リアのみ「B3 GT」より20mmワイド(ホイールもプラス0.5Jの10J)と異なります。
「B4 GT」の走り味は「B3 GT」と同じかと思いきや、「似ているようで似ていない」というのが素直な印象です。
BMW特有の鋭い初期応答とは別物で、操作しただけ自然にかつ素直に動く点や、まるでベアリングの精度を高めたかのような抵抗感のないスムーズなフィールなどは共通ですが、どちらかというと「B3」に対してソリッドな感覚が増した「B3 GT」に対して、「B4 GT」は逆に、従来モデルである「B4」よりしなやかな感覚が増した印象です。
筆者(山本シンヤ)は、アルピナのフットワークはプレミアムとスポーツの絶妙なバランスの上に成り立っていると思っていますが、「B3 GT」はその比率が4:6なのに対し、「B4 GT」は6:4といった感じなのかな……と思います。
ただし、「B4 GT」が快適性重視に舵を切ったわけではありません。むしろ「B3 GT」と乗り比べて“よく曲がる”と感じたのは「B4 GT」の方です。
ロールを巧みにコントロールしながらサスペンションを上手に沈み込ませてクルマ全体で曲がる様は「B3 GT」、「B4 GT」ともに同じですが、「B3 GT」はいい意味でスタビリティ重視でステアリングを切っただけ素直に曲がるのに対し、「B4 GT」はより俊敏にノーズが入ってアクセル(=駆動力)で曲げることができる自在性が与えられており、より“攻めたハンドリング”に仕上がっています。それでいながら鉄壁のスタビリティも両立しているのですから、驚きしかありません。
この辺りは、サスペンションのセッティングに加えて、4WDの駆動力制御や電子制御式LSDの味つけも含めたトータルでの味つけなのはいうまでもありませんが、「この走りのためにリアタイヤをサイズアップしたのね」と納得。
それらを踏まえると、「B4 GT」の走りはアルピナのお作法はそのままに、素性のよさを活かした確信犯的なセットアップで、結果として“駆けぬけたくなる歓び”の濃度はさらに高まっていると感じました。
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