「カッコいいクーペ」のDNAは新型でも不変! 歴代のホンダ「プレリュード」に乗って分かった“すべてのモデルに共通するキャラクター”とは?
新型「プレリュード」は4代目以降のスポーツ路線をトレース
前置きが長くなりましたが、そんな往年の「プレリュード」を試乗する機会に恵まれました。

まずは初代「プレリュード」から。それにしても、初代ってとても小さかったんですね! 全長4090mm、全幅1653mmというボディサイズは、現行のホンダ車でいうと「フィット」より大きいものの、「フリード」と比べたらひと回り小さい。現在のカテゴライズに照らし合わせれば、まごうことなき“コンパクトカー”です。
しかしながら、サンルーフが標準装備だったり、オプションでコノリー製レザーを使ったインテリアが用意されていたりと、まさに“小さな高級クーペ”といった趣。
当時の日本は、世界をけん引するほどの経済力を持つ国へと急激に豊かになりつつある時期。そんな当時に生まれるべくして生まれてきたクルマなのだと実感しました。
でも、多くの人にとって「プレリュード」といえば、イメージするのは2代目もしくは3代目ではないでしょうか? 当時、日本のクーペ市場は絶頂期にあり、「プレリュード」も最も売れた時代。実際、2代目は17万台弱、3代目は17万6000台ものセールスを記録し、とにかく街で頻繁に見かけたものでした。
低いボンネットが印象的な2代目、3代目のデザインを、当時の人々が支持した理由はよく分かります。特に、より洗練された3代目の都会的なシルエットは、今見てもクールですね。
この2台が日産「シルビア」やトヨタ「セリカ」などと並んで“デートカー”、つまり、デート世代の若い男女が乗るクルマと呼ばれた理由は、カッコいいクルマを比較的手頃な価格で手に入れられたから。当時、クーペは雰囲気で乗る存在であり、走行性能で選ぶクルマではなかったのです。
実際、筆者は今回初めて3代目に試乗したのですが、搭載されていた機械式4WSのフィーリングはウワサどおり違和感をぬぐえぬものでした。ステアリング操作とクルマの動きの反応の間に微妙な遅れが……。当時は、こうした先進技術を投入することがマーケティングにおいて重要な時代だったのでしょう。
テレビCMに、当時、日本でも絶大な人気を誇ったF1ドライバーのアイルトン・セナを起用し、エンジンに“VTEC”が初めて搭載された4代目「プレリュード」は、そうしたキャラクターが大きく様変わりしました。雰囲気で乗るスペシャリティクーペから、ドライビングを楽しめるスポーツクーペに大転換を図ったのですから。
実際に走らせてみても、3代目までの“フツーのクーペ”といった印象とは異なる、スポーティなドライビングフィールを感じることができました。
ちなみに、「プレリュード」といえばよく話題になる、運転席側から助手席の背もたれを倒せる“例のレバー”は4代目にも健在。そういう意味で4代目は、過渡期に生まれたモデルといえるかもしれません。
続く5代目も、スポーツクーペ路線を継承しました。トップスポーツグレードの「タイプS」は、赤いヘッドカバーがまぶしい220馬力の“VTEC”エンジンを搭載。
いわゆる“トルクベクタリング機能”のはしりである、“ATTS”と呼ばれる左右駆動力配分システムが採用されたのもこの5代目です。
そして先日、ついに正式発表となった6代目となる新型「プレリュード」は、スポーツ性能を追求したモデルであり、多くの人が「プレリュード」に抱いでいたであろうデートカーのイメージは、ほとんど感じられません。
しかし、歴代モデルを見てみると、4代目以降の「プレリュード」は明確にスポーツ路線を歩んでおり、新型もその延長線上にあるモデルと考えれば、不自然なことは何もありません。
新型「プレリュード」のエンブレムの書体が4代目のそれに似ているのも、新型が4代目以降の路線を継承しているから、と考えれば納得できます。
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さて、SUVが我が世の春を謳歌している2020年代にクーペを買うというのは、“相応の理由”が必要だと思います。新型「プレリュード」におけるそれは、“ドライビングを心底楽しめる優れた走行性能”だと筆者は考えます。
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