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まもなく日本上陸! 新型BMW「M3セダン」「M4クーペ」はどこが進化したのか

大きく進化したのは「S58B30」型になった搭載エンジン

 もともとはサーキットを走るために生まれたBMW「Mモデル」。その代表格である「M3セダン」と「M4クーペ」が新型になり、2021年春に日本へ上陸する。本物を目にする前に少し予習をしておこう。

  • BMW新型「M4クーペ」のフロントマスク。4シリーズから大型の縦型キドニーグリルを採用しているが、新型M3セダン/M4クーペの両モデルともこのデザインを採用している

 4ドアセダンの新型M3の開発コードはG80、2ドアクーペの新型M4はG82と呼ばれる。ちょっと遅れて登場する「M4カブリオレ」はG83である。

 4シリーズクーペのキドニーグリルが大きな縦型になったことが話題だが、新型はM4クーペだけでなくM3セダンも同様のキドニーグリルになった。正確にいうと、通常の4シリーズクーペの縦型キドニーグリルよりも、Mモデルのそれはやや横に広がっている。エンジンルームに取り込む空気量を増やしたかったのかもしれない。

 今回のモデルチェンジで、一番大きな変化はエンジンだ。3リッター直列6気筒ツインターボは従来のS55B30というエンジンコードから、S58B30になった。

 シリンダーブロック、シリンダーヘッド、クランクシャフトなどすべて新設計だ。より大きな爆発力を受け止められるようにし、より激しい走りにも対応できる冷却システムも組み込まれている。

 シリンダーヘッドの冷却水の通路は3Dプリンターでプラスチックの型を作り、それを元に一基ずつ鋳造するという手の凝った方法を採用している。さらにピストンの冷却のために下からオイルジェットで吹くが、ジェットノズルをシリンダーごとに2本設置して万全を期している。

 冷却がうまくできれば、もっとパワーとトルクを増やせる。そこで重要になるのがクランクシャフトの受けである。

 これまでのシリンダーブロックとオイルパンを一体化するようなベッドプレート方式も良かったのだが、じつはアルミ合金の限界まできていた。そこで新型ではクランクシャフトを鉄で支えるようにした。これにより、さらに強いトルク(というか爆発力)でクランクシャフトが押されてもしっかりと支えられるようになり、高回転での振動も少なくなった。

  • 新型M3コンペティション/M4コンペティション用の3リッター直列6気筒ツインターボ「S58B30T0」。510ps/6250rpm、650Nm/2750-5500rpmを絞り出す

 新型M3/M4用のS58B30O0(最後の2文字はオーゼロ)は、最高出力480ps/6250rpm、最大トルク550Nm/2650-6130rpmを発揮する。6速MTと組み合わされるモデルの0-100km/h加速は4.2秒だ。

 先代用のS55B30T0エンジンは431ps/7300rpm、550Nm/1850-5500rpmのパワーとトルクだったから、新型はより低い回転数でより高い出力を出している。これは高回転でトルクが太いから発揮できた。

 新型M3コンペティション/M4コンペティション用のS58B30T0は、510ps/6250rpm、650Nm/2750-5500rpmを絞り出す。トランスミッションの8速M Steptronic with Drivelogicを介して、後輪駆動で0-100km/hを3.9秒で駆け抜ける。

 後からオプションで登場するxDrive(4WD)ならもっと速くなるはずだ。500ps/6250rpm、600Nm/4000-5500rpmというハイパフォーマンスエンジンを搭載していた現行型「M4GTS」は水噴射を使っていたが、新型用エンジンのS58B30はこれらの対策により、水噴射を使わなくても、M4GTSのエンジン以上のパワーとトルクが出せるようになったのだ。

 このスペックを見るだけでも、早く新型M3/M4に乗りたくなるだろう。

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こもだきよし
こもだきよし
モータージャーナリスト
日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会長(2016年〜) 1950年 神奈川県川崎市生まれ 自動車レース、タイヤテストドライバーの経験を経て、1984年から新型車にいち早く試乗して記事を書くフリーランスのモータージャーナリストになる。クルマが好きというより運転することが好きでこの仕事をしている。 世界一の難所と云われるドイツのニュルブルクリンクの北コース(ノルドシュライフェ)を1984年5月に初めて走ってから40年間通い、BMW M社主催のBMW ドライビングエクスペリエンスで、インストラクターとしてドイツ人インストラクターとともに日本人参加者向けにニュルの走り方を伝えている。

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