なぜ“四半世紀”も続いてる? ポルシェ「911」だけで争われる“日本最速のワンメイクレース”「ポルシェ・カレラカップ」の醍醐味とは?【クルマ×アソビ#23】
ロードカー好きのポルシェファンも楽しめるイベントを併催
ポルシェでは、「カレラカップ」を始めとするモータースポーツへの取り組みをピラミッド状に展開しており、複数のレベルが設定されています。

まず、レース出場を考えているエントリーレベルのドライバー向けに「ポルシェ トラック エクスペリエンス」プログラムを展開。サーキット走行に必要な基礎知識やスキルの習得をレーシングコースなどで学ぶことができます。
続く「ポルシェ スプリントチャレンジ ジャパン」は、「カレラカップ」の流れを汲む週末のワンデイレース。「カレラカップ」へのステップアップを目指すドライバー向けで、従来型カップカー(“タイプ991”)での参戦も可能と、より手軽に楽しめるカテゴリーとなっています。
そして、その上位クラスとなるのがPCCJ。同クラスはハイアマチュアからプロレーサーへの橋渡し役というカテゴリーとなっています。
このように、複数の階層を設定し、さらに、長年にわたってプログラムを運営し続けるのは決して容易ではないはず。インポーターとして携わるおふたりも苦労を重ねてこられたはずですが、PCCJでの熱いバトルさながら、運営をストイックに楽しんでおられるご様子です。
「“タイプ996”時代の最後の頃でしょうか。世界的な経済状況などからエントリー台数が5、6台に減少した時期がありました。それでも、シリーズの継続を許してくれるのがポルシェらしいな、と、今では感謝しています。業務の一貫として真剣にモータースポーツに取り組めるブランドというのは、本当に少ないですからね」(木内さん)
「エントリー台数が少なくて苦労した時期には、上司から『継続が厳しいのであればPCCJを止めるか?』と問われたこともありました。止めてしまうのは簡単なのですが、決してあきらめませんでした。『ポルシェにとってモータースポーツは重要』という思いは社員全員の共通認識なので、上司も理解してくれているのです。
もちろん、われわれ現場の担当者は全力を尽くしてプロモーションをおこなっています。その結果として、『PCCJっていいよね、出たいな』といってくださる、参加してくださる方が続いているのは、本当にうれしく思っています」(伊藤さん)
こうした関係者たちの努力の甲斐あって、モータースポーツ愛好家やサーキット志向のポルシェオーナーにとって、いまやPCCJは憧れの場となっています。
一方、筆者(村田尚之)のようにロードカー好きのポルシェファンにとっても、PCCJは魅力的なイベントだと今回、改めて実感しました。
まずはなんといっても、イコールコンディションによるレースが面白い! 約70kmのスプリントレースとあって、スタートからフィニッシュまで緊張感あふれるバトルが続きます。
しかも、3クラスの混走ということで、一瞬のスキをついてアマクラスが上位クラスのマシンを追い抜くといった、手に汗握るバトルも展開されました。
また、レース後のパドックエリアでは、ポルシェジャパンのジュニアドライバーやスタッフが、実際のカップカーを用いての車両解説を実施。
さらに、ゲスト向けの企画として、PCCJドライビングアドバイザーであるプロレーサーが操る最新のポルシェに同乗体験できる“サーキットタクシー”も開催されるなど、PCCJは一般の人でも楽しめるプログラムが充実しているのです。
* * *
メイクスとしての威信を賭け、ライバルを相手にデッドヒートを繰り広げる姿にも感情を揺さぶられますが、「911」どうしが競い合うワンメイクレースの緊張感もまた、モータースポーツの醍醐味に満ちていました。
25年という歳月を経て、PCCJはオーナーやポルシェファンはもちろんのこと、すべてのクルマ好きを魅了するワンメイクレースとなっているのです。
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