“25式”となったトヨタ“進化型”「GRヤリス」何が変わった? わずか1年で中身を劇的アップデート! 最新モデルで気になる「走りの実力」とは?
自らを超えていく……それが「GRヤリス」の哲学
そんな“縦引きパーキングブレーキ”を装備する最新の「GRヤリス」に試乗しました。

グレードは、“縦引きパーキングブレーキ”を装着した「RZ“ハイパフォーマンス“」。AT仕様で、サスペンションの改良や車体剛性の強化といった進化の恩恵を最大限に感じられる仕様です。
まず“縦引きパーキングブレーキ”は、確かに走行中も操作しやすくなっています。一般的なレバーは上に引き上げますが、最新モデルはその位置をシフトレバー脇に移したことで後方へ引くような操作感覚となり、運転中でも力を入れやすくなっています。公道で使用するシーンは全くありませんが、競技車両のようで楽しい気分にさせてくれます。
進化したATは“ふたつの顔”を持っているように感じました。日常走行ではイージーにドライブでき、シフトアップもなめらかで優しい印象。
しかし、ひとたびアクセルペダルを踏み込んだり、ドライブモードを「スポーツ」に入れたりすると別の性格が顔を見せます。トルコン式ATとは思えないソリッドかつ瞬時の変速を実現し、“攻めた走り”にも十分対応します。
一般的なドライバーであれば、左手と左足を駆使してMTを操るよりも速く走ることができるでしょう。
それにしても、「GRヤリス」の扱いやすい速さは、乗るたびに楽しさを上書きしてくれます。小さく軽いボディと、スイスイというよりグイグイ曲がるハンドリングが融合。ワインディングロードを気持ちよく走り抜けることができるからです。
強いていえば、音やエンジン回転上昇のフィーリングといった官能性がもう少しプラスされれば、と思いますが、クルマの方向性として“情緒より強さ”を目指していると考えれば納得の走り味ですね。
ところで、「GRヤリス」は何と戦っているのでしょう? WRX対ランエボのように、このモデルに直接的なライバルは存在しません。また、現在のラリー車の規定は当時とは異なり、競技車両の進化のために市販車を改良する必要もありません。
極端にいえば、WRCを戦うラリー車の進化はあくまでラリー車の進化であり、市販車は実は無関係なのです(国内ラリーでは市販車の進化が重要ですが……)。また、市販車で速さを競うライバルも見当たらないでしょう。
それでもTGRは、「GRヤリス」の進化を止めようとしません。「ラリーマシンでの進化を市販車へフィードバックする」といいます。強いてライバルを挙げるとすれば、それは「GRヤリス」自身なのでしょう。
進化を止めると成長は止まってしまいます。自らを超えていく……それが「GRヤリス」というマシンの哲学なのだと改めて実感しました。
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