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生産終了を迎えたR35「GT-R」の源流とは? サーキットでのバトルを見据えて誕生した初代“ハコスカ”と悲運の“ケンメリ”…第1世代「GT-R」の魅力を検証

伝説の始まりとなる初代“ハコスカ”「GT-R」

 日産のR35「GT-R」が生産終了となったことを受け、日産自動車のグローバル本社ギャラリーで「GT-R」の歴史とファンへの感謝を込めた特別展示イベント「FOREVE“R”~GT-Rファンは永遠に~」が開催されました。

 本記事では、そんな会場に展示された歴代モデルの中から、伝説の始まりとなる第1世代である初代PGC10とKPGC10、そして2代目のKPGC110にフォーカスします。

 GT-R伝説は、1969年2月に発売された4ドアセダンのPGC10型「2000GT-R」に始まります。ベースとなったのは、前年の1968年に発売され、“ハコスカ”の愛称で親しまれた3代目「スカイライン」でした。

「スカイライン」を看板車種と位置づけるプリンス自動車工業は、1966年に日産自動車と合併。3代目となる“ハコスカ”の基本的な開発はプリンス時代からスタートしていましたが、そこに日産の最新技術が融合することで、より魅力的なモデルへと成長を遂げました。

 大人しいセダンボディに、レース直系のS20型エンジンを搭載した本格スポーツセダンとなった初代「GT-R」。そのPRには、同じくレーシングシーンでの活躍を前提として生まれた、先代モデル「プリンス スカイラインGT-B」の“羊の皮を被った狼”というキャッチフレーズが受け継がれました。

 この「GT-R」セダンのエクステリアは、「スカイライン」の特徴であるリアフェンダーの“サーフィンライン”を断ち切るフェンダー形状とすることで、ワイドタイヤの装着に対応。メカニズム面では、ステアリングギア比のクイック化や足まわりの強化も図られていました。

“ケンメリ”「GT-R」(KPGC110)
“ケンメリ”「GT-R」(KPGC110)

 また、モータースポーツシーンでの活躍を前提としたモデルだったため、ヒーターやラジオといった快適装備はオプション扱いに。その代わりとして、リクライニング機構のないバケットシートや100リットルという大容量の燃料タンクなどが与えられました。

 ボンネットフードの下に収まるレーシングカー直系エンジン“S20型”は、プリンス時代に開発されたプロトタイプレーシングカー「R380」用のエンジンを市販車向けに再設計。量産車初となる4バルブDOHCヘッドを採用していました。最高出力は160ps/7000rpm、最大トルクは18.0kgm/5600rpmを発生し、トランスミッションには5速MTが組み合わされました。

 1970年10月には、ベースモデルである3代目「スカイライン」がマイナーチェンジ。2ドアクーペの「ハードトップ」が追加されたことに伴い、「GT-R」もそれまでの4ドアセダンから2ドアクーペのKPGC10型に変更されることとなりました(4ドアは廃止)。

 その際、ボディ形状が変更された以外にも、デザインの変更を受けた「GT-R」。最も特徴的だったのは、リアフェンダーにFRP製のオーバーフェンダーが装着されたことでしょう。

 ちなみに、ボディ形状がクーペへと変更された背景には、戦闘力強化という目的があったといいます。クーペはセダンよりもホイールベースが70mm短いのですが、これにはBピラーのないハードトップのボディ剛性を高めるねらいもあったのだとか。また、若干の軽量化と、空力性能とコーナリング性能の向上という恩恵も受け、その結果「GT-R」の戦闘力はより高まったのでした。

“ハコスカ”「GT-R」のクーペ(KPGC10)
“ハコスカ”「GT-R」のクーペ(KPGC10)

“ハコスカ”「GT-R」の販売期間はセダンとクーペを合わせてもわずか3年に過ぎないことから、トータルの生産台数は2000台未満。今も「GT-R」ファンからは伝説の「R」として憧れの存在であり続けています。

 今回のイベントに展示された車両は、生産終了を迎えた1972年式で最終型といえる存在です。なお、今回は展示されませんでしたが、「日産ヘリテージコレクション」にはセダンの「GT-R」も収蔵されています。

Nextわずか197台しかつくられなかった悲運の“ケンメリ”「GT-R」
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