当代随一のスポーツセダンに“別格の特別仕様車”誕生! アルファ ロメオ「ジュリア クアドリフォリオ エストレマ」で味わえる“官能性の正体”とは
コンマ1秒の速さより“快”であることを選んだスポーツセダン
「当代随一のスポーツセダンは何?」と問われたら、僕(嶋田智之)は間髪入れず「アルファ ロメオ『ジュリア』でしょ」と答えます。なかでも、シリーズの頂点に君臨する「ジュリア クアドリフォリオ」は、ライバル不在の特別なモデルだとすら感じています。
もちろん、もっとパワーのあるモデルや、さらにスピードの速いモデルがあるのは承知の上。でも、僕たちは毎日コンマ1秒を争ってるわけではありませんし、そもそもストリートで200km/hだ300km/hだとよろんでいいような時代でもありません。イマドキのスポーツモデルに求められる最も大きな価値は、もはやそこにはないのです。
「ジュリア クアドリフォリオ」も。最高速度307km/h、0-100km/h加速タイム2.9秒と、過ぎるほどのパフォーマンスを秘めたモデルです。でも、このクルマの最大の価値は、そこにはありません。ならば、どこに?
一度でもそのステアリングを握り、ペダルを踏んだことがある人なら、すぐお分かりになることでしょう。心にクッキリと刻まれているはずです。パドルを弾く指先から、ペダルに触れる足先から、サウンドと微振動に震える脊髄から、縦横斜めのGを受け止める骨盤から……ありとあらゆるところから直撃してくる“快”なるもの、を。
クルマを走らせるときの気持ちよさは、極まれば“官能”そのもので、そこを驚異的に高いレベルで──スーパーカーの一部すら凌駕するレベルで──体現してるのが、「ジュリア クアドリフォリオ」という稀代のスポーツセダンなのです。その唯一無二といえるテイストは、2015年のデビュー以来ずっと、世界中で高く評価されてきたのでした。

そんな「ジュリア クアドリフォリオ」に、46台限定のスペシャルエディションがラインナップされました。その名は「ジュリア クアドリフォリオ エストレマ」。そのサブネームの意味は、究極・最高・最上級・極限といったところでしょうか。
先日、実際に走らせてみて、それが誇張などではないことが、しっかりと伝わってきました。通常、こうしたスペシャルエディションはアルファ ロメオに限らず、内外装の仕様をアレンジしたコスメティックなものであることが多いのですが、「エストレマ」はそこにはとどまっていません。「ジュリア クアドリフォリオ」としては、「GTA」や「GTAm」に次ぐ素晴らしい乗り味を感じさせてくれたスペシャルエディションといえるでしょう。
とはいえ、内外装にアレンジされてる部分がないわけじゃありません。エクステリアでは、アルミホイールや“GIULIA”のバッジがダークトーンとなり、ブレーキキャリパーはブラック仕上げになるなど、グッと引き締まった印象とされています。
マフラーの出口がカーボンフィニッシュとされてるのも雰囲気を盛り上げています。試乗車はボディカラーがブラックだったことも手伝って、かなり精悍な雰囲気を漂わせていました。
インテリアに目を移すと、フロントの乗員には6ウェイの電動スポーツレザーシートが与えられ、パワーランバーサポートとパワーサイドサポート、そしてシートヒーターなどの機能も備わります。ステアリングヒーターも標準装備です。
そもそも最新の「ジュリア クアドリフォリオ」は、先進運転支援システムも含めて充実した装備の数々やスポーティな意匠にあふれたモデルですから、ここまで来ると「ほかに何が必要?」と探してみても、見つけられないレベル。持ち前のパフォーマンスやテイストを考えたら、これだけでも十分に「エストレマ」を名乗っていいように感じます。
ですが、「エストレマ」が真の「エストレマ」であるために、アルファロメオは走りの部分にも手を入れてきたのでした。モータースポーツとかなり密接なつながりを持つアクラポヴィッチ製のエキゾーストシステムを採用。また、詳細な説明がないので推測するしかないのだけれど、おそらくマッピングを変更するなどの細かいけれど適切なチューンナップがおこなわれたことで、2.9リッターV6ツインターボエンジンは520psへと10psのパワーアップを果たしています。たかが10psですが、そのチューンナップの効果は絶大といえるほどのものでした。
走り始めて最初に感じるのは、乗り味が洗練されたことです。強烈なパフォーマンスを秘めたスポーツセダンとして、「ジュリア クアドリフォリオ」はデビュー当初から快適な部類といえる乗り心地を提供してくれるクルマでした。必要な分だけ──つまりはかなり──引き締まってはいるのですが、ガチンと跳ね返すような当たりのキツさや荒さというのはありません。強固な“ジョルジオ”プラットフォームとしっかり動いてくれるサスペンションのおかげで、スポーツ性と快適性というある意味、相反する要素を、見事に両立させていたのです。
電子制御式のアクティブサスペンションは、基本、走行モードと連動して締まり具合を変えるわけですが、“DNAダイヤル”でスポーツモードである「D=ダイナミック」を選択したときでも、不快な乗り味というのを一切伝えてきません。「エストレマ」では、そのサスペンションの動きがさらになめらかになったような印象で、ハッキリと乗り心地がよくなっています。
もっとも、それは「エストレマ」特有のものというより、アルファロメオの熟成力の高さというべき要素なのかもしれません。通常の「ジュリア」も初期のモデルと比べてジュクジュクに熟していて、クルマのあらゆる動きのなめらかさと正確さがケタ違いによくなってるのですから。モデル末期に差しかかった「ジュリア」は、ラインナップのすべてが「買い!」なのです。
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