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“走りのハイブリッド”の最適解と美しいオープンカーの相性とは? ポルシェ「911カレラ GTS カブリオレ」はターボラグ極小のハイレスポンスが気持ちいい

オープンだから分かるワイルドで歯切れがいい硬質サウンド

 新たなスポーツカー用エンジンの理想像を提案する“T-ハイブリッド”ですが、実際に走るとどうなのでしょう? 今回試乗したのは、カブリオレボディをまとった「911カレラ GTS カブリオレ」。スレートグレーネオのボディにレッドのソフトトップという組み合わせがおしゃれです。

 早速、ルーフを開いてみますが、“T-ハイブリッド”のメカニズムが収まるエンジンベイと電動トップの開閉機構を両立していることに驚かされます。

 もちろん、エンジン設計時点で織り込み済みだったとは思いますが、風の巻き込みを抑える電動ディフレクターやリアシートも備わっており、実用性もしっかり確保されているのも「911」らしい美点といえるでしょう。

 さらにコンパクトなソフトトップ部により、「911」らしいグラマラスなスタイルが際立つのも魅力のひとつ。エクステリアのディテールについては“992.2”と呼ばれる現行の「911」シリーズに準じた仕様で、「GTS」には冷却性能と空力性能を両立するフロントの“アダプティブエアインテークフラップ”が装備されています。

 プッシュ式のスターターボタンを押すと、低く弾けるようなサウンドとともにエンジンが目覚めます。予想よりも勇ましい響きに思わず「ニヤリ」としてしまいますが、これはほんの序章に過ぎません。

 ステアリングに備わるダイヤルにより、走行モードを「Wet」、「Normal」、「Sport」、「Sport Plus」の4モードから選べますが、まずは「Normal」でスタート。タイヤひと転がり目からその力強さを実感します。

ポルシェ「911カレラ GTS カブリオレ」
ポルシェ「911カレラ GTS カブリオレ」

 1000rpmプラスほどのごく低回転からみなぎるトルク感、2000、3000、4000rpmの伸びやかさと反応の素早さ、5000rpmを超えてなお鋭さを増すレスポンスと息をのむ加速……全域でよどみなくあふれるパワーは、まさに圧巻のひと言です。

 ハイブリッドシステムの完成度も素晴らしく、ディスプレイのエネルギーフローを見なければ、その存在を意識しないほど自然に振る舞います。これは“eターボ”についても同様で、大排気量の自然吸気多気筒エンジンさながらのスムーズさとドラマチックなフィーリングを実現しています。

「Sport Plus」を選べば、全身が切れ味鋭く……ではありますが、街中からワインディング、高速道路という一般的な使い方では「Normal」と「Sport」が心地よく(余力が有り余る状態ですが)、カブリオレのキャラクターにも合っているのではないかと感じます。

 公道でその本領を垣間見るような状況には遭遇しないでしょうし、500psオーバーのスポーツカーを振り回すウデも筆者(村田尚之)にはありませんが、ストイックに走りを追い求めずとも「コレは楽しい」と感じさせる辺りは、最新「911」の魅力といえるのではないでしょうか。

 ちなみに、想像よりもはるかにいいな、と感じたのは、カブリオレボディと“T-ハイブリッド”の相性です。スイッチ操作ひとつで開閉できるソフトトップの出来は文句のつけどころがありませんし、ボディやトップ部に起因する騒音・雑音も一切ありません。

 しかし何より、屋根を開け放ってのクルージングは爽快のひと言。ノーマルの「911カレラ」系モデルより少々ワイルドで歯切れよく、硬質なサウンドを背中越しに聞きながらのドライブは実に刺激的で、高揚感に満ちあふれています。

* * *

 さて、ボディやエンジンなど膨大な組み合わせから選択可能な「911」シリーズの中から、万人が認めるナンバーワンを決めるというのは野暮というもの。とはいえ「カブリオレってちょっと気取ってるよね」という先入観のある愛好家も多いことでしょう。

 サーキット志向の「911」ファンにこそオススメするのはお門違いとは思いますが、「先入観で腰が引けている」、「リストから外している」という方には、「そんな思い込みは一瞬でひっくり返るほどの楽しさと魅力に満ちた1台です」とお伝えしておきましょう。

Gallery 【画像】オープンだからこそ濃密な“T-ハイブリッド”の真価! ポルシェ「911カレラ GTS カブリオレ」のディテールを写真で見る(30枚以上)

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