イマドキ「SUVでもEVでもない」選択ってアリ? アウディ「A5」のTDI仕様に見る“ディーゼルのセダンを選ぶ”こだわりの理由とは?
SUVにはない世界観――後席に宿る“本物の高級感”
今回フォーカスするのは、先ごろアウディ「A5」に追加されたクリーンディーゼル搭載モデルです。
「A5」は、アウディのミッドサイズモデルで、現行モデルはリアゲートを備える4ドアクーペのような「セダン」と、ステーションワゴンの「アバント」をラインナップしています。
しかし今、セダンやステーションワゴンを選ぶことにどんな意味があるのか……? かつて乗用車といえばセダンが定番で、より暮らしを楽しみたい人はセダンベースのステーションワゴンを選ぶというのが一般的でした。
しかしここへきて、クルマのトレンドは大きく舵をきり、いまやSUVがフツーの存在となりました。そんな時代にあって、セダンやステーションワゴンを選ぶにはやはり、それ相応の理由が必要となるでしょう。
ハイスピード領域やワインディングでの安定性がいいとか、車高に節約のある機械式立体駐車場にも入庫できるとか、セダンやステーションワゴンを選ぶべき理由は存在します。しかし、それらのメリットはあくまで「安定性の違いを感じられる」とか、「機械式立体駐車場を頻繁に使う」など、限られた人のためでしかありません。
でも、筆者(工藤貴宏)はそれでいいと思うのです。誰にでもオススメはできないけれど、メリットを感じられる人は必ずいるし、そう感じられる人が選ぶべきクルマがセダンやステーションワゴンであると。トレンドはSUVになってしまったけれど、やはりセダンやステーションワゴンと好相性の人は存在するのです。

同様のことが、一時期、欧州で爆発的にヒットしたディーゼルエンジンにもいえるでしょう。
かつてはガソリンとディーゼルというエンジンの2択しかなかったパワートレインですが、昨今はエンジン+モーターのハイブリッドもあればモーターだけで動くBEV(電気自動車)もあります。どれが絶対的に優れているというわけではなく、それぞれメリットとデメリットが存在。なので、オーナーのライフスタイルに対してメリットのある、日々の暮らしにマッチしたパワートレインを選べばいいと筆者は思うのです。
そのために大切なのは「選択肢があるか否か」ということ。その最たる例はトヨタが提唱する“マルチパスウェイ戦略”ですが、そこまでマルチではないとしても、複数のパワートレインを用意してくれるメーカーはユーザーにとってうれしい存在といえるでしょう。
アウディもそんなブランドのひとつです。将来的に「全車BEV化を進める」と宣言しているアウディですが、実は新型車にもディーゼルエンジンをしっかりとラインナップしています。
例えば今回試乗した、2025年の上陸モデルである「A5」もそのひとつ。かつての「A4」の実質的な後継モデルで、リアゲートを備える4ドアクーペのような「セダン」と、ステーションワゴンの「アバント」をラインナップ。そしてディーゼルエンジン搭載車は、車名に“TDI”という3文字を掲げています。
そんな「A5」TDIに触れるに当たり、まずは夜のリアシートへ。パッセンジャー=乗せてもらう側として感じたのは、快適なだけでなく“いいクルマ感”に満ちあふれているな、ということでした。
リアシートに乗り込んで感心させられたのは、十分な広さと圧倒的な高級感。広さに関しては足元も頭上も十分なゆとりがあります。さらに試乗車には、オプションのパノラマガラスルーフまで備わっており、上空までパノラマになっていて開放感抜群だったのです。

試乗車のシートは、ダイヤモンドステッチ入りのファインナッパレザー(オプション)で、ムーディなアンビエントライトが織りなす雰囲気と相まって、なんとラグジュアリーな感じだったことか。
その上、試乗車には電子制御減衰力可変式の“ダンピングコントロールSスポーツサスペンション”が搭載されていたこともあり、乗り心地も極上でした。
ディーゼルエンジンを搭載するモデルですが、音に関してはいわれなければそれとは気づかないほど。そう言うと、静けさのレベルを理解してもらえることでしょう。
このように、アウディ「A5」TDIのリアシートでの体験は、ラグジュアリーカーの世界観を改めて教えられた気分になりました。なんと贅沢な世界なのか。「A5」は紛れもない本物の高級車です。
page
- 1
- 2
VAGUEからのオススメ
マセラティ、故郷モデナへ── 光と音が導く「グラントゥーリズモ」と「グランカブリオ」が告げる新しい鼓動【PR】