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生産終了のレクサス「RC F」が「ファイナルエディション」で到達した境地とは? 11年間の集大成で見せた“雑味なき獰猛さ”と未来への期待

雑味のない獰猛さに進化した珠玉のV8エンジン

 改めて乗ってみると、どちらかというと野性味が強めだった「RC F」に洗練さがプラスされ、レクサスのスポーツモデルとしていい塩梅にあると感じました。

 この辺りは、高精度チューニングエンジンとチタン製エキゾーストの相乗効果といえるでしょう。

 元々このエンジンは、常用域ではジェントルで回すほどに獰猛に変化していく性格ですが、「ファイナルエディション」はその切り替わり(5000rpm前後)がよりシームレスな印象です。

 加えて、回転フィールもよりなめらかになっているので、いうなれば「雑味がない獰猛さ」といった印象。これまでは回さないと“スポーツエンジンらしさ”が感じにくかったものですが、「ファイナルエディション」は3000~4000rpmからでもそれを感じやすくなっています。

 ただし、デビュー当時はATらしさを感じさせないレスポンスとダイレクトさが魅力だった8速SPDSですが、いま乗るとドライブモードが「スポーツ+」でも物足りなさを感じたのも事実。個人的には、高精度AT制御などにもトライして欲しかったと思います。

 フットワークは、デビュー当初はなかなかヤンチャ(!?)だったものの、幾度かの改良により、フロントに重く大きなV8が搭載されていることを感じさせない回頭性へと進化。高出力を路面にしっかり伝えるリアのトラクション性能のバランスのよさも相まって、成熟した大人になったなと思いました。

 ただ残念なのは、曖昧でルーズなステアリング系です。システム自体が古いので緻密な制御ができなかったことが原因ですが、ここに手を入れることができていれば、シャシーのよさがより引き立ったと思っています。

レクサス「RC F ファイナルエディション」
レクサス「RC F ファイナルエディション」

 快適性は、カドが取れた入力など硬派な中に優しさがあるものの、バネ下の重さを感じるドタバタした足の動きが気になりました。ちなみに「ファイナルエディション」は、“パフォーマンスパッケージ”に採用されるカーボンセラミックブレーキが未装着となっていましたが、もしもこれが装着されていたら……。

 ちなみに“パフォーマンスパッケージ”が登場した際に乗った筆者(山本シンヤ)のとあるレポートには「一般道ではバネ下30kgの軽量化が効いており、路面からのアタリが優しく、状況によってはベースの『RC』よりも快適に感じたくらい」とありました。

* * *

 そろそろ結論といきましょう。「RC F ファイナルエディション」は、集大成ではあるものの、個人的には「ファイナルの先が見たかった」というのが素直な本音です。

 生産が終了したモデルに対して筆者がここまでいうのは、レクサスにはもっといいクルマに仕上げるための“引き出し”があるからです。

「RC F」が生産終了となった一方、2026年1月には「IS」が2度目の大幅改良を受けました。「IS」は「RC」のセダン版なのはいわずもがなですが、見た目はもちろん、インテリアもデザインを一新。メカニズム面でも、システムが古かった電動パワーステアリングに低慣性モーターが採用されたほか、機構自体が従来のラック同軸式からラック平行式(バリアブルギア)に変更されました。

 さらにサスペンションも、AVSを従来のステップモーター式アクチュエーターから内蔵式リニアソレノイドバルブ式に変更。これにより、減衰応答性が約4倍となっています。

 筆者は最新版の「IS」にまだ乗れていませんが、走りは間違いなくレベルアップしていると思っています。

 これらのアイテムは、基本コンポーネントを共用していた「RC F」にも応用できるわけですから、そんな“進化型「RC F」”を見てみたかった……と思うわけです。

Gallery 【画像】超カッコいい! レクサス「RC F」の集大成を写真で見る(30枚以上)
「2段あたため」レンジがすごすぎるっ!? 最新レンジを徹底紹介

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