生産終了のレクサス「RC F」が「ファイナルエディション」で到達した境地とは? 11年間の集大成で見せた“雑味なき獰猛さ”と未来への期待
11年間の“すべて”が詰まった集大成モデルとは
昨2025年は、レクサスにとって重要な年となりました。その理由のひとつ目は、日本開業20周年の節目を迎えたこと。ふたつ目の理由は「ジャパンモビリティショー2025」において、「DISCOVER」、「誰の真似もしない」というスローガンを掲げ、さらなる変革を宣言したこと。そして3つ目の理由は、2025年の全世界販売実績が前年比104%となる過去最高の88万2231台を記録したことです。
その一方、惜しまれつつも2025年で生産終了となったモデルがあります。それが今回フォーカスするスポーツクーペ「RC F」です。
「RC F」は2014年、2012年に販売終了となった「LFA」に代わるレクサスの“リアルF”をけん引するモデルとして登場。「IS F」から受け継いだ5リッターV8自然吸気エンジン+8速SPDS(スポーツダイレクトシフト)を2ドアクーペのボディにドッキング(実は「RC F」のシャシーはフロント=「GS」用、センター「IS-C」用、リア「IS」用でした)していました。
「IS F」の4ドアボディを受け継がずに2ドアクーペを選択したのは、モータースポーツ参戦のベース車両にしやすいためだったといいます。実際、「スーパーGT」に2014~2016年まで参戦したほか、FIA-GT3マシンは現在も国内外のさまざまなカテゴリーで活躍中です。

そんな「RC F」は、2019年と2022年に大きな商品改良がおこなわれましたが、1度も世代交代することなく歴史を閉じることとなりました。11年間で累計1万2000台を販売。ベースモデルである「RC」は7万9000台のセールスを記録しました。SUV全盛の現在にあって、背の低いパーソナルな2ドアクーペとしては決して悪くない数字を残したと思いますが、ビジネスとしては次世代モデルに投資するほどのジャッジは下せなかった……のでしょう。
今回の試乗車は、200台限定の「ファイナルエディション」。つまり、11年間に渡る進化・熟成がすべて盛り込まれた“集大成”となるモデルです。
エクステリアは、フロントスポイラー、大型ロッカーフィン、ルーフ、リアデフューザー、そしてアクティブリアウイングがカーボン製となっています。ひかえめなデザインながら、チラリと光るカーボン製パーツは見る人が見ると「おーっ!!」となる絶妙なコーディネートです。
個人的に残念だったのは、2023年に「エンスージアスト」とともに限定25台が発売された特別仕様車「エモーショナルツーリング」に採用された“ボディ同色カーボンボンネット”が採用されなかったこと。最後のモデルだからこそ、出し惜しみしないで欲しかったというのが本音です。
インテリアは「ファイナルエディション」専用となるブラック&フレアレッドのコーディネート。それに加えて、ウルトラスエードを採用したスポーツシート&ステアリング&シフトノブ、ファブリック調のメーターフード、専用オープニングのメーター表示、オーナメント、ネームプレートなどが採用されています。
ただし、2世代前のデザインとなるインパネ、CDスロットつきのオーディオ、センターコンソールのリモートタッチなどは、さすがに時代を感じさせます。

エンジンは、いまや絶滅危惧種となる自然吸気式の5リッターV8ですが、ムービングパーツの緻密な質量合わせやクリアランスの調整などにより、回転バランスの最適化とフリクション低減がおこなわれた“高精度チューニングエンジン”を搭載。試乗車にはさらに、オプションとなるチタン製エキゾーストも装着されていました。
加えて、熟練の技術者がバックラッシュの調整をおこなった“高精度チューニングリアデファレンシャルギア”も採用されています。
フットワーク面では、サスペンション(AVS=アダプティブ・バリアブル・サスペンションシステム)、タイヤ(ミシュラン「パイロットスポーツ4S」)などに変更はありませんが、BBS製の鍛造アルミホイールは、メタルスターグロスブラック塗装と「F」ロゴ入りレッドキャリパーのブレーキなど、「ファイナルエディション」専用コーディネートとなっています。
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