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「フランスの新鋭ブランド」による“Cセグメント”ハッチバックはルックスがスゴい! 派手じゃないのに目を奪われるDS新型「N°4」の進化と真価

走りも上質! そして夜に見せる“もうひとつの顔”

 ここまで見た目の話ばかりを書き連ねてきましたが、「N°4」は走りの面でもかなり好印象なモデルでした。

 基本構成としては、旧PSA系由来の進化系といえる“EMP2 V3”プラットフォームを土台とする前輪駆動モデルで、日本仕様のパワートレインには1.2リッターの直列3気筒直噴ターボ+マイルドハイブリッドを積んでいます。

 最高出力は内燃エンジンが最高出力136ps/5500rpm、最大トルク230Nm/1750rpmで、電気モーターは最高出力約20ps、最大トルク51Nmを発生。システム最高出力は145psを発生します。他ブランドのそれを含めた、現在のステランティスのメインストリームといえるものですね。

 対して車重は、車体が“Cセグメント”としてはやや大柄なこともあって、1490kgと重めです。果たしてそのパワートレインで不満はないの? と思われる方もいるでしょう。が、全く問題なし。いかなる場面でも、チカラ不足を感じることはありませんでした。

 おだやかに走りたいときには、エンジンの豊かな低速トルクと、小さいようで実は効き目抜群のモーターにまかせ、ゆとりを感じながら静々と。一方、力強い加速が欲しいときには、意外や軽快なエンジンの吹け上がりと二丁がけとなるトータルアウトプットの実力にニンマリと。想像するよりもはるかに柔軟に対応してくれるパワートレインで、さまざまな姿を見せてくれるから、スポーツカーに求めるようなものを期待するなら話は別ですが、まず不満らしい不満は見つけられません。得られるスピードも十分以上です。

DS新型「N°4 ETOILE HYBRID」
DS新型「N°4 ETOILE HYBRID」

 ただひとつ、エンジンの回転を上限まで引っ張り上げてガンガンいくような走らせ方をすると、基本的には心地いい静けさに満ちてる居住空間に悪くはないけど快音ともいえないサウンドがそれなりのボリュームで侵入してきて、せっかくの優雅な気分が削がれます。クルマの車格や雰囲気にも似つかわしくない走らせ方だとも思うので、そこを念頭に置いて「N°4」のアクセルペダルと対峙するべきでしょう。

 乗り味も、十分以上に満足できるレベルです。ほどよくやわらかく、ほどよく引き締まり、足はしなやかに動き、といった感じでとても快適。足がしなやかに動いてタイヤへもうまく荷重を乗せてくれるので、気持ちよく曲がってくれたりもします。

 基本的にはフラットライドで、その感触がとても心地いい。ふわっとしてるけれど抑えも効いてるシトロエンと、引き締まってるけれど足がよく動くからカドが丸いプジョーとの、ちょうど中間地点にあるような絶妙なセッティング。ここへきてステランティスは、ブランドごとのつくり分けが実に巧みで、シトロエンもプジョーも──ついでにいうならアルファ ロメオもフィアットも──それぞれの伝統的なテイストに沿って進化を続けてきたようなフィールを感じさせてくれます。

 ちなみに先日、DSのフラッグシップといえる「N°8」にも試乗したのですが、その乗り味も今回の「N°4」と同じベクトルにあるように感じました。きっとこの走り味が、この先のDSの伝統的なテイストになっていくのかもしれません。

 話を「N°4」に戻すと、例えばアルファ ロメオのように熱くなるような感触はないけれど、ステアリングを握っている間中、僕は不思議と上気したような気分で浸っていました。知らず知らずの間に時間が経ち、距離も数え、いつしか夜の帳に包まれていたのでした。

 そして交差点で窓を開けようとパワーウインドウのスイッチを見ると、そこには街灯の明るさと暗さをぼんやりと反映した光と影が複雑なグラデーションを描く、クル・ド・パリ文様があったのです。その瞬間、このクルマは夜になるともうひとつの美しさをにじませるのだな、と感じました。

 おそらくクルマの外に出れば、フロントのシグネチャーライトとリアのシーケンシャルインジケーターがドラマティックな光彩を見せていて、自分が夜という素敵な時間帯にいるのだということを無意識に感じさせてくれるはずです。何だかちょっと官能的。フランス人は夜という時間を、いろいろな意味で、おそらく世界一といっていいくらい大切にする人たち。その事実を思い出しました。

 そして、そういう時間帯に、クルマがロマンティックな気持ちを男と女に与えてくれるのだとしたら……? いや、もうそれだけで「N°4」に乗る価値はあるんじゃないか? とすら思えてきました。

 そういう非モテをクルマに頼って解消しようとするような前時代的かつ邪(よこしま)な考えは脇に追いやるとして、いや、それも含めて人間としての感性の豊かさをかき立ててくれるような魅力、いや、魔力が、新しい「N°4」にはありました。

 このクルマがかたわらにある人生って、かなりいいかも……素直にそう感じます。いや、邪な気持ちからだけじゃなく、神に誓って……。

Gallery 【画像】超カッコいい! DSのニューモデル「N°4」を写真で見る(30枚以上)
「2段あたため」レンジがすごすぎるっ!? 最新レンジを徹底紹介

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