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同じラインで「スバルとトヨタ」を生産! さらに「EVとエンジン搭載車」も混流へ スバルの矢島工場で見えた“自動車生産の現実解”【Behind the Product#42】

現地の見学で見えた“太くて短い生産ライン”

 今回見学した矢島工場は、1969年に稼働を開始した歴史ある工場です。

 そんな同工場でスバルとして初めてBEVとエンジン搭載車の混流生産をおこなうために、2025年8月から対象となる生産ラインの改修工事がスタート。そして2026年2月にBEVの生産が始まりました。

 なお見学時は「トレイルシーカー」と「bZ4Xツーリング」が生産ラインを流れていましたが、2026年の夏ごろからはエンジン搭載車の「フォレスター」も同じラインで生産される予定だといいます。

 今回の改修では、新たな設備や工程が導入されました。なかでも象徴的なのが、新設されたバッテリーパック組立ラインです。かつてボディのプレスをおこなっていた建屋を同ラインに転用したそうですが、スバルにとって新たな工程であることから、ラインの構築にはトヨタの知見が特に生かされ、省人化も図られたといいます。

 また、混流生産をおこなう上でのキーポイントも、今回の工場見学を通じていくつか見えてきました。

スバル車とトヨタ車、BEVとエンジン搭載車を同じラインで“混流生産”するスバルの矢島工場
スバル車とトヨタ車、BEVとエンジン搭載車を同じラインで“混流生産”するスバルの矢島工場

 生産ラインの途中には、エンジン搭載車用のマフラー装着設備を配置。また、BEVの充電機能を検査する工程では、エンジン搭載車が流れてきた場合にエンジンルーム内の部品取り付け状況を確認するなど、車種ごとに異なる作業を割り当てています。

 スバルはこうしたラインを“太くて短い生産ライン”と表現していますが、車種ごとに異なる作業を同じ工程内へ効率的に配置して作業量を平準化することで、設備や人員のムダを抑えています。

スバル車とトヨタ車、BEVとエンジン搭載車を同じラインで“混流生産”するスバルの矢島工場
スバル車とトヨタ車、BEVとエンジン搭載車を同じラインで“混流生産”するスバルの矢島工場

 また、2027年以降の稼働を予定している大泉新工場は、工場の機能をソフトウェアとデータで定義し、設備の大規模な改修を抑えながら生産内容を変更できる体制を目指すのだとか。さらに、作業環境を認識して自律的に動く“フィジカルAI”の導入も検討されているといいます。

* * *

 多様化する市場に合わせて、生産体制も柔軟に変化させなければならない……そんな自動車業界の課題に対してスバルが示した現実解が、進化した矢島工場には随所に盛り込まれていました。

Gallery 【画像】超カッコいい! これがエンジン搭載車とBEVが同じラインで生産される進化したスバルの工場です(30枚以上)
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西川昇吾
西川昇吾
自動車ジャーナリスト
1997年生まれ、日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。大学時代から自動車ライターとしての活動をスタート。現在は新車情報のほか、自動車に関するアイテムや文化、新技術や新サービスの記事執筆も手がける。また「ロードスターパーティレース」や「スーパー耐久」シリーズなど、モータースポーツへも積極的に参戦。そうした経験を基にした車両評価もおこなう

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