同じラインで「スバルとトヨタ」を生産! さらに「EVとエンジン搭載車」も混流へ スバルの矢島工場で見えた“自動車生産の現実解”【Behind the Product#42】
なぜ今“混流生産”をおこなうのか?
電動化が進む自動車業界では、BEV(電気自動車)を始めとする電動車の生産体制を整えることが、自動車メーカーの重要な課題となっています。
しかし、市場のニーズを踏まえると、ハイブリッド車を含むエンジン搭載車を今後も一定期間、生産し続ける必要があります。しかも、双方をどのような割合で生産していくかは市場環境や地域によって大きく変動するため、自動車メーカーにとって“読みづらい”ものとなっています。
そんな中、スバルが取った選択肢が、BEVとエンジン搭載車を同じラインで生産する“混流生産”という手法です。
スバルはこれまでも、製造するクルマの種類や数量が変化しても、ムダなく短いリードタイムで届ける“変種変量短生産”と呼ばれる手法を強みとし、ノウハウを築き上げてきました。今回の矢島工場での生産スタイルの変更は、これまで蓄積してきたノウハウを発展させたものとなっています。
これまでもスバルは、異なるモデルを同じラインで生産してきましたが、今回の“混流生産”には今までと大きく異なる点がいくつかあります。
まずは、パワートレイン構成が大きく異なるBEVとエンジン搭載車を生産するということ。これは、パワートレインや床下構造が大きく異なるモデルを同じラインに流すことを意味しています。

そしてもうひとつが、トヨタとの協業により誕生したモデル、すなわち、スバルの新しいBEV「トレイルシーカー」と、共同開発車であるトヨタブランドの「bZ4Xツーリング」を同一ラインで生産すること。
スバル車とトヨタ車では車体を固定する基準位置や部品の組みつけ順序が異なるため、設備の可動化や工程順序の見直しが必要になったといいます。
これらを実現するため、生産設備の改修に加え、ソフトウェア面での対応も進めたのだとか。また、設備の一部を可動式とすることで、今後の車種変更や生産比率の変化にも柔軟に対応できる構成としています。

また、生産ラインだけでなく、部品を工場へ届ける物流工程も見直されました。拠点ごとに集約倉庫を設け、複数の部品をまとめて長距離輸送することで、物流効率の向上を図っています。
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