エンジンがなくても“BMW M”らしさは健在なのか? グッドウッドに登場した4モーターEV「Mコンセプト ノイエ・クラッセ」で変わる“駆けぬける歓び”
グッドウッドで英国初公開! 注目を集めた次世代BMW M
2026年7月9日から12日まで、イギリス南部で「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード2026」が開催されました。会場内のBMWブース「The Home of the Ultimate Driving Machine」において英国初公開となったのが、次世代の電動高性能モデルを示すBMW「Mコンセプト ノイエ・クラッセ」です。
同車は同年6月、フランスで開催された「ル・マン24時間耐久レース」で世界初公開されたばかり。今回のグッドウッドでは、英国で初の一般公開となりました。
会場では、BMW M GmbHのフランシスカス・ファン・ミールCEOと、BMW Mデザイン責任者のマイケル・スカリー氏が車両を披露。次世代BMW Mの方向性を来場者へ紹介しました。
ただし、今回はヒルクライムなどでの走行披露はなく、ブースでの静態展示が中心。それでも、カモフラージュをまとった開発車ではなく、今後のBMW Mが採用するデザイン、素材、電動技術の方向性を具体的に示したコンセプトカーを間近で確認することができました。
「Mコンセプト ノイエ・クラッセ」は、BMW Mが今後展開する高性能BEVの方向性を示す4ドアのコンセプトモデルです。
エクステリアでは、低く構えたシルエットや張り出したホイールアーチ、筋肉質なショルダーが目を惹きます。過度な装飾を施すのではなく、力強いプロポーションと優れた空力性能によって、BMW Mらしい高性能感を表現しています。

フロントでは、前方へ突き出すような“シャークノーズ”を採用。キドニーグリルとヘッドライトをひとつのユニットにまとめ、奥行きあるライトグラフィックを組み合わせています。
特に注目したいのが、黄色く発光する“Mイエローライト”です。GTレーシングカーの意匠を受け継いだもので、今後登場するBMW M車の新たな個性になるとされています。
フロントバンパーには、高速で航行する船をイメージした“トリマラン”形状を採用。中央と左右に分けた3分割構造が、大型フロントスプリッターを支えています。
V字形のボンネットには、電動パワートレインの冷却に用いる大きなエアアウトレットを配置。リアにはダックテール形状のスポイラーと大型ディフューザーを装着し、後輪にかかるダウンフォースを高めています。
フロントスプリッター、ボンネットのエアアウトレット、リアディフューザーなどには、天然繊維を用いた複合素材が採用されています。BMW Mは2019年からモータースポーツにおいて天然繊維素材の耐久性や生産技術を研究しており、カーボンファイバーに近い特性を持ちながら、製造時のCO2e(二酸化炭素換算)排出量を約40%削減できると説明しています。

インテリアも、豪華さよりドライビングへの集中を重視した構成です。前後4席すべてに、構造部材に天然繊維を使用した新開発のバケットシートを採用。表皮にはバサーストブルーとベリーレッドのメリノレザーを用い、赤い5点式シートベルトを組み合わせています。
ステアリングやドアパネル、ロールバーには、BMW Mとして初めてブラックのヌバックレザーを採用。フローティング形状のダッシュボードには、M専用の六角形パターンが浮かび上がります。
BEVでありながら、ステアリングにはシフトパドルも備わっています。具体的な機能は明らかにされていませんが、将来の電動BMW Mには疑似的な変速感覚が採用される予定です。
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