640馬力のV8が痛快なのに乗り心地しなやか! フェラーリ「アマルフィ スパイダー」をギリシャで初ドライブ!! 先代の「ローマ」から車名を変えた意味とは
オープンでも剛性感に遜色なし! ワインディングで見えた進化の真価
高速道路をしばらく行くとパーキングエリアを発見。ここで一旦、ピットストップしてオープンにします。実際には、走行中でも60km/h以下であれば開閉可能です。
再度走り出すと、車体の剛性感に遜色はまるでなく、ピシッとした走りを堪能させてくれます。ただし、100km/h近辺では室内にそれなりに風が巻き込んでくるので、ウインドディフレクターを展開させます。スイッチを押すと、後席背もたれ部分が前方に起き上がって整流効果を発揮。途端に頭部周辺の風の流れが落ち着いて、快適にドライブすることが可能になります。
そのまま高速道路を降りて北上。ワインディングロードを目指します。実は出発直後から気づいてはいたのですが、舗装の荒れた一般道に入って確信したのは、乗り心地が格段によくなっていることでした。「アマルフィ」のサスペンションは基本的に「ローマ」と共通で、スプリングなどのレートも変わらないそうですが、電子制御は刷新されていて、快適性も、スポーツ性もともに引き伸ばされていると謳われています。
実際、初期のしなやかさは従来以上で、特に「Comfort」モードでの走りは“スポーツカーとしては”という前置詞要らずのしなやかさを実現しています。普段は走りもそれで十分なのですが、キツいコーナーが続くようになったら、やはり「Sport」の出番。スロットルレスポンスが切れ味を増し、乗り心地も引き締まって、クルマとの一体感が俄然高まります。

ドライビングダイナミクスはまさに、ハイパワーFRの教科書という印象。豊かな操舵感のステアリングは情報量に富み、切り込んでいくと素直に向きが変わっていきます。シャープですがシャープ過ぎず、まさに意のままのコントロールが可能です。
アンダーステアとは一切無縁で、前輪のグリップ感が高いので、むしろしっかり切り込むことでグイグイとノーズを引き込めます。そして、クルマが出口を向いたところでアクセルペダルを気持ち多めに踏み込むと、640cvものパワーが伝わったリアタイヤが路面を蹴り上げるようにして猛烈なダッシュが始まります。その瞬間の快感たるや! エンジンは天井知らずの伸びを見せて7600rpmまで吹け上がり、そこを見計らってコラム固定式のシフトパドルを引けば、即座に次のギアに。またも猛烈な加速が始まって……と、無心で繰り返してしまいます。
そんな走りには、新採用のABS Evo.と呼ばれるブレーキシステムも大いに貢献しています。これは要するに電動ブースターを使ったもので、常に一定の、ストローク短く剛性感に富んだブレーキタッチと、4輪を個別制御することによる優れた制動力を発揮してくれるもので、要するに今までにないほど安心して、そのストッピングパワーを引き出すことができるのです。

夢心地のスポーツドライビングでワインディングロードを駆け上がり、撮影がてら一旦、小休止。気づけば外気温時計には39℃という表示があり、全然涼しくないじゃん! と思わず悪態をついてしまいましたが、ホットだったのはきっと気温のせいだけじゃなく、その走りに熱くなってしまったからでしょう。そこからの下りは、クルマと自分のクールダウンということで、ソフトトップを閉じてゆっくり戻ります。
クローズド状態の「アマルフィ スパイダー」はボディの剛性感も静粛性も、まるでクーペそのもの。ゆったりとしたドライビングも、また楽しめるものでした。行きには必要性を感じなかったブルメスターのオーディオがこうなるとうれしくて、好きな音楽を聞きながら拠点となるホテルへと戻り、ざっと200kmのテストドライブを大満足で終えたのでした。
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正直にいうと、乗る前には「ローマ スパイダー」とそう大きく変わらないんじゃないか、という思い、なくはありませんでした。それは「ローマ スパイダー」も素晴らしい仕上がりのクルマだったので、それ以上の進化があり得るのか? という意味でもあったのですが、そこはさすがフェラーリ。車名まで変えてきた意味を、ギリシャでステアリングを握った「アマルフィ スパイダー」は存分に実感させてくれました。それにしてもアツかった!
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