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2.3トン超なのに“スッ”と曲がる! BMW新型「iX3」はなぜEVでも“BMWらしい”のか? 最長906kmも走る“ノイエ・クラッセ”第1弾の実力

2330kgとヘビー級なのに、なぜ気持ちよく曲がる?

 そんな見た目の大革新とは裏腹に、走り味はやっぱりBMWでした。

 交差点をゆっくり曲がるだけでも伝わってくる、“スッ”とクルマが向きを変える感覚が心地いいのです。加速も単に速いだけではありません。BEVの場合、無機質な印象になりがちな加速フィールにも“伸び感”があり、数字だけでは表現しにくい気持ちよさを感じます。

 そんな新型「iX3」をドライブしていて、筆者にはひとつの疑問が浮かびました。SUVのスタイルを持ち、しかも車両重量は2330kgとヘビー級。それなのになぜ、こんなに気持ちよく曲がるのだろうか? と。

 その理由のひとつは、BEVならではのパッケージングでしょう。

 重量物となるバッテリーをフロア下へ敷き詰めることで、SUVでありながら重心を低く設定できます。さらに、フロントに大きなエンジンを搭載しないことも、前後の重量バランスを整える上で有利に働きます。

 実際、試乗車の車検証に記載されていた前後軸重は、フロント1130kgに対してリア1200kg。計算すると、前後ほぼ50:50という重量配分です。

 もちろん、前後の重量配分だけでクルマの曲がり方が決まるわけではありません。しかし、床下へ重量物を集めた低重心なパッケージングと前後バランスのよさ、そこへBMWならではのシャシーの味つけが加わることで、2330kgという数字からは想像しにくい素直で気持ちのいい旋回感が生まれたのでしょう。

 実際、新型「iX3」について、BMWは高性能制御ユニット“Heart of Joy”によって駆動系と走行ダイナミクスを統合制御し、ハンドリングの精度や俊敏性を高めたと説明しています。

BMW新型「iX3 50 xDrive Mスポーツ」
BMW新型「iX3 50 xDrive Mスポーツ」

 重いBEVだから鈍重になるのではなく、BEVだからこそ可能になる低重心やパッケージングを、BMWらしい走りへ結びつけている……。これが、新型「iX3」を走らせて興味深いと感じた部分でした。

●すべてが変わっても“BMWらしさ”は残っているのか?

 では、新世代のBEVとなった新型「iX3」にも、BMWらしさは感じられるのでしょうか? 試乗を終えての答えは、もちろん「YES」。なぜなら、ドライブフィールがBMWにほかならないからです。

 リニアなステアフィールに始まり、スッと向きを変えて曲がる感覚、そしてアクセルペダルを踏み込んだ際の加速の心地よさ。デザインもインターフェイスも車体設計も大きく変わりましたが、ドライバーがクルマを動かしたときに感じる“BMWらしさ”はしっかり残っています。

 しかも、新型「iX3」の進化ポイントは走行フィールだけではありません。試乗した「iX3 50 xDrive Mスポーツ」の一充電走行距離は、カタログ記載のWLTCモードで835km。さらに、スタンダードな「iX3 50 xDrive」では906kmに達します。BMWによれば、これは同社史上最長の一充電走行距離となります。

 搭載されるリチウムイオンバッテリーの容量は109.1kWh。新しい構造や第6世代の“BMW eDrive”などの採用で、BEVとしての基本性能も大きく引き上げられています。

* * *

 これまでBMWは、エンジン車とBEVを同じモデルファミリーの中で成立させてきました。しかし新型「iX3」は、“ノイエ・クラッセ”という新しい土台からBEVそのものをつくり直しています。

 それにより、見た目も操作方法も大きく変わり、航続距離も大幅に伸びていますが、ステアリングを握って走り出せばしっかりBMWでした。すべてを変えながら“走りが気持ちいい”という美点は決して変えない……新型「iX3」を走らせて最も印象に残ったのは、そんな“BMWらしさ”でした。

Gallery 【画像】2.3トン超でも“スッ”と曲がる! デザインも室内も刷新されたBMW新型「iX3」を写真で見る(30枚以上)
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