2.3トン超なのに“スッ”と曲がる! BMW新型「iX3」はなぜEVでも“BMWらしい”のか? 最長906kmも走る“ノイエ・クラッセ”第1弾の実力
エンジン車とは別モノ! “ノイエ・クラッセ”で何が変わった?
BMW「X3」は、ブランドを代表する主力SUVのひとつです。2023年にはBMW全体で最も販売台数の多いモデルとなり、世界的に人気を獲得。メルセデス・ベンツ「GLC」やアウディ「Q5」などと競合する“Dセグメント”のSUVで、日本車でいえばレクサス「NX」やトヨタ「ハリアー」、マツダ「CX-60」などと近いポジションです。
そんな「X3」のラインナップに加わったBEV(電気自動車)が、新しい「iX3」です。2026年7月22日に日本での販売が始まったばかりのモデルで、最大の特徴は、BMWが次世代車両コンセプトとして掲げる“ノイエ・クラッセ”の市販車第1弾であることです。
新型「iX3」を前にしてまず驚いたのは、エンジン車の「X3」とは見た目も中身も大きく異なることでした。
近年のBMWは、エンジン車とBEVを完全に別物として仕立てるのではなく、ひとつのモデルファミリーの中で複数のパワートレインを展開してきました。例えば現行「5シリーズ」では、柔軟なドライブアーキテクチャを用いることでエンジン車やPHEVに加え、BEVの「i5」も展開しています。
従来の「X3」と「iX3」も、基本的には同じようなスタイルのモデルでした。ところが新型は違います。顔つきや全体のフォルムなどのデザインはエンジン車の「X3」と別物で、車体設計もBEVを前提とした“ノイエ・クラッセ”へ刷新されています。
さらに強調したいのは、内外装ともに新しさに満ちあふれていること。いろいろ斬新すぎるのです。

フロントマスクは“キドニーグリル”こそ受け継いでいるものの、その表現はこれまでのBMWとは大きく異なります。BMW自身も、新型「iX3」から始まる新しいデザイン言語を今後のモデルへ広げていくとしています。好き嫌いは分かれるでしょうが、筆者(工藤貴宏)は嫌いじゃありません。
インテリアも大きく変わりました。フロントウインドウ下端に約110cmにわたって左右へ広がる“BMWパノラミック・ビジョン”を配置。走行データやナビゲーションなど、さまざまな情報を表示できます。
コックピット中央には、17.9インチの大型ディスプレイを配置。平行四辺形のような独特な形状をしたそれは、右ハンドル車と左ハンドル車ではそれぞれ形状が異なる上、ドライバー側へ17.5度傾けて配置するなど、ドライバーが操作しやすい設計となっています。
そして、なんとも言語化しがたい斬新な形状のステアリングも特徴です。スポークだけでなくステアリングスイッチも新感覚で、例えばACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)の作動中だけキャンセルボタンのアイコンが点灯するなど、状況に応じて使用できる機能が分かりやすく表示されます。これは操作性を高めるひとつのアイデアだなと感心させられました。

さらに、ルームミラー部には室内撮影用のカメラが備わり、BMW車オーナーにはお馴染みのETCユニットはルームミラー内蔵型ではなくなりました。細かな部分ですが、長らくBMWに乗ってきた人ほど変化を感じられるポイントかもしれません。
生き残るためには、進化も変化もしなければならない……デザインやインターフェイスを中心に、これまでのBMW車とは大きく変わった新型「iX3」に触れていると、そんなメッセージが伝わってくるような気がします。
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