「639馬力はスゴい」けれど「2.3トン超えって重すぎない!?」 アウディ新型「RS5」に賛否両論! RSモデル初のPHEVでも“RSらしく”走れる?
走らせると評価が変わる? 市販車世界初の“電気機械式トルクベクタリング”
興味深いのは、発表時には「重すぎる」という反応が目立った一方、海外で実車の試乗レポートが公開されるようになると、評価が少し変わってきたことです。それによると、2.3トン超という数字から想像するほど鈍重ではなく、むしろ新しい駆動システムによる旋回性能を高く評価する声が出ています。
そのカギとなるのが、新しい“クワトロ”システムです。新型は、アウディスポーツとして初めてプリロードつきセンターディファレンシャルを採用。駆動トルクがかかっていない状況でも前後アクスルの結合状態を保持するため、コーナリング中にアクセルを離すような場面でもアンダーステアを抑え、ターンインを助けてくれます。
さらに注目すべきは、リアに組み込まれた“ダイナミックトルクコントロールクワトロ”です。エレクトロメカニカルトルクベクタリング機能を備えた同機構は、アウディによれば市販モデルとして世界初の採用となります。
アクセルのオン/オフに関係なく、後輪左右のトルク差を最大2000Nmまで瞬時に生み出し、走行中のあらゆる場面でヨーモーメントを制御。コーナーでは外側の後輪へ積極的に駆動力を送り込み、クルマの向きを変えやすくします。
“ダイナミックトルクコントロールクワトロ”を構成するのは、水冷式の400V永久磁石電動モーターで、高電圧アクチュエーターとして瞬きの約10分の1、わずか15ミリ秒で反応します。
従来のスポーツディファレンシャルも後輪左右の駆動力を能動的に配分していましたが、新機構は駆動トルクに依存せず、アクセルオフ時やブレーキング時にもトルク差を生み出せるのが特徴です。さらにステアリング角やアクセル開度、各方向のG、ヨーレート、路面の推定摩擦係数などを解析し、走行状況に応じて瞬時に制御します。

新型は足まわりも新しくなっています。従来のDRCサスペンションに代わり、ツインバルブ式ショックアブソーバーを備えたRSスポーツサスペンションを標準装備。伸び側と縮み側の減衰力をそれぞれ電子制御することで、ピッチとロールを抑え込みます。
ボディ剛性もベース車比で10%高められ、サスペンション形式には前後とも5リンク式を採用。さらに、このセグメントのアウディ車として初めて、リアセラミックディスクブレーキをオプション設定しています。
このようにアウディは、PHEV化で増えた車体を軽くするのではなく、強力なパワーと高度なシャシー制御によって“重さを感じさせない方向”へ進化させたと見ることができます。
もちろん、そうしたクルマづくりを従来と同じ“らしさ”ととらえるか否かは、ファンによって意見が分かれるところでしょう。軽量なボディと内燃機関のフィーリングを求める人にとっては、2.3トンを超えるPHEVという時点で違和感が残ります。一方、639psのパフォーマンスにEV走行という日常性を加え、その上でコーナリング性能まで追求したことを、新世代の「RS」として評価する声もあります。
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「639馬力はスゴい」でも「2.3トン超は重すぎないか?」……まさにそうした疑問こそ、新型「RS5」「RS5アバント」が従来の「RS」とは異なる方向性へと踏み出したことの象徴なのかもしれません。世界初の機構を得た「RS」初のPHEVが、日本でどのように評価されるのか注目です。
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