群馬・高崎から三国峠を越えて“水鏡の絶景”へ! 名物へぎそばも味わう“新潟ドライブ” フォルクスワーゲン「ID.4」で行く静かで軽快な212km
まずは群馬・高崎から三国峠へ! 286馬力に進化した電動SUVの実力を確かめる
群馬県高崎市にある「フォルクスワーゲン高崎」。今回のドライブ旅は、ここからスタートします。
目的地は、新潟県上越市にある「フォルクスワーゲン上越」。関越自動車道から三国峠を越えて越後湯沢へ向かい、名物のへぎそばと清津峡の絶景を楽しみながら、一般道で上越を目指すルートです。
相棒となるのは、フォルクスワーゲンの電動SUV「ID.4」。フォルクスワーゲンが開催した「長距離リレー試乗会」の一環で、1台の「ID.4」を複数のメディアが乗り継ぎ、各地のディーラーを巡るという企画です。
今回の試乗車は、2026年1月に日本へ導入された「ID.4 Pro」の商品改良モデル。見た目は従来型とほとんど変わりませんが、走行性能は大幅に進化しています。
なかでも注目は、後輪を駆動する電気モーターです。最高出力は従来の204馬力から286馬力へ、最大トルクは310Nmから545Nmへと向上。数字を見ただけでも力強い走りを期待できそうです。
まずは高崎市街を走り、高崎インターチェンジから関越自動車道へ。高速道路に入ってアクセルペダルを踏み込むと、「ID.4」は力強く速度を高めていきます。車両重量は2140kg。決して軽いクルマではありませんが、その重さを意識させない加速です。
モーターならではの豊かなトルクによって、加速は実にスムーズ。ドライバーのアクセル操作に対して素直に反応してくれます。
静粛性も印象的でした。エンジン車、特にSUVで人気のディーゼル車では、アクセルペダルを踏み込むとエンジン音が大きくなり、加速していることを耳からも感じます。しかし「ID.4」には、そうした音の高まりがありません。

速度を上げても車内は静かで、巡航中もキャビンは落ち着いた雰囲気。力強さと静けさが同居しているのは、BEV(電気自動車)ならではの魅力です。
関越道を月夜野インターチェンジで降り、国道17号を北上して三国峠を目指します。この道は、かつて江戸と越後を結んでいた三国街道におおむね沿うルートです。
三国街道は、江戸時代には越後の諸大名が参勤交代で利用したほか、佐渡金山から産出された金銀を運ぶ重要な交通路でもありました。高崎で中山道から分かれ、険しい三国峠を越えて日本海側へとつながる道筋には、宿場町が点在し、多くの旅人や商人が行き交っていたといいます。
現在の国道17号は、舗装された快適な道路。それでも、山々に囲まれた谷筋を北へと進んでいると、かつて徒歩や馬でこの峠道を越えた人々の苦労が忍ばれます。歴史ある道を、最新の電動SUVで走っているというのは不思議な感覚です。
途中で国道を外れ、法師温泉方面へ向かう県道に少し寄り道しました。
山あいの道に建つのが、「オーロラの詩」と呼ばれる碑です。これは、1989年にアラスカのマッキンリー(現デナリ)で遭難した登山家、山田昇氏と三枝照雄氏を顕彰したもの。ふたりはともに群馬県出身で、世界の峰に挑み続けた日本を代表する登山家でした。
山田氏は、世界に14座ある8000m峰のうち9座に登頂した実績を持ちます。しかし、冬季のマッキンリーに挑戦した際、三枝氏らとともに帰らぬ人となりました。
山々に抱かれたこの場所には、ふたりの功績と、山に人生を懸けた人々の記憶が残されています。単に通り過ぎるだけでは気づかない、土地と山との深い結びつきに触れられる時間でした。
碑を後にして国道17号へ戻り、再び三国峠を目指します。ここで印象的だったのが「ID.4」のハンドリングです。
高速道路ではゆったりと安定した動きが目立ちましたが、コーナーが続くワインディングでは、思いのほか軽快に向きを変えてくれます。
電気モーターを車体後方に搭載した後輪駆動レイアウトもあって、フロントの動きが軽やか。ステアリングを切ると鼻先がスッとコーナーの内側を向き、重量級のSUVを運転している感覚が薄れていきます。
上り坂でも545Nmのトルクは頼もしく、アクセルペダルを踏み増せば速度が気持ちよく乗っていきます。エンジンの回転数や変速を意識することなく、コーナーの先へとスムーズに加速していく感覚が心地いいです。

三国峠は、群馬県と新潟県の境に位置する、古くから交通の難所として知られた場所です。江戸時代の旅人たちは、険しい山道を歩いて越後へと向かいました。
現在の国道17号は、2022年に開通した全長約1.2kmの新三国トンネルで県境を越えます。かつて何時間もかけて越えていた山を、現代のクルマならわずかな時間で通り抜けられるわけです。
峠道の面白さは、登るにつれて道路の表情が変わっていくこと。おだやかなカーブから連続するコーナーへと変化する道は、「ID.4」の軽快なハンドリングを確かめるのに格好の舞台でした。
トンネルを抜ければ、そこは新潟県。ここからは越後湯沢へ向けて下り坂が続きます。
上りでは大きなトルクを生かして力強く走り、下りでは回生ブレーキによって電力を回収する。そんなBEVならではのエネルギーの使い方も、峠越えの楽しさのひとつです。
「苗場スキー場」を左手に見ながら、さらに国道17号を北上。目指すは越後湯沢の市街地です。
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