「美しいワゴン」が峠道でまさかの豹変!? 4気筒とは思えないエンジンフィールも好印象! アウディ新型「A6アバント」は先代から何が変わったのか?
「本当に4気筒?」思わずボンネットを開けた理由
もうひとつの驚きは、ドライバビリティです。新型「A6」の日本仕様には、先代に設定されていたV6エンジンがありません。
本国仕様にはあるのに、残念! 日本仕様は2リッター直列4気筒ターボのみで、ガソリンとディーゼルの2種類から選ぶことになります……ところが、この4気筒エンジンが予想以上によかったのです。
まず驚いたのが、ガソリンエンジンの上質感。振動や騒音が驚くほど抑えられていて、4気筒特有のザラザラした感覚がありません。日常的な速度域では、モーターで走っているのかと錯覚するほど静か。エンジンの存在感がほとんどないのです。
先代「A6」にも同じような上質さがありましたが、新型のエンジンはV6ではなく4気筒。それでこのなめらかさを実現しているのですから、驚かされます。
でも、本当の驚きはその先にありました。このエンジン、普段は存在感を消したように静かで、縁の下の力持ちに徹するジェントルなタイプなのですが、アクセルペダルを深く踏み込むと、大胆に“キャラ変”するのです。
回転を上げるほどにパワー感が盛り上がり、4気筒とは思えないほど繊細な気持ちよさがあるのです。あまりに4気筒らしくないので、「本当に4気筒? 実は6気筒なのでは?」と疑い、思わずボンネットを開けて確認してしまいました。
もちろん、そこにあったのは4気筒エンジン。何事もなかったかのようにサッとボンネットを閉じたのは、ここだけの内緒です。
普段は静かで上品なのに、踏み込めば刺激的。そんな二面性が、このエンジンにはあります。
かつてBEV(電気自動車)への転換を強く打ち出していたアウディですが、こんなに楽しい4気筒エンジンを用意していたなんて……楽しすぎるじゃないですか。
●先代より“クルマらしくて楽しい”! 峠道で見せた意外な素顔
そして、クルマ好きにとってのハイライトが、ハンドリングです。
まるでレールの上を走っているかのような抜群の安定感は、先代「A6」から受け継がれた美点。長距離を快適に移動するためのクルマとして、申し分ありません。

ところが、ワインディングロードに入ると印象が変わります。先代はどこまでも安定志向でしたが、新型はその安定感を保ちながら、ドライバーの操作にスッと反応する躍動感を手に入れているのです。
簡単にいえば、安定感に全振りして少し無機質だった先代に対し、新型には遊び心とスポーティさがあります。
エンジンもハンドリングも、運転していて気持ちいい……近年のアウディは、デザインが以前より筋肉質になっていますが、ドライバビリティにも血の通った感覚が強まっているなという印象を受けました。
スーツでバリッと決めてクールさを装いながら、実は遊ぶのが大好きな人。新型「A6」は、そんなクルマに思えます。
ちなみに、ディーゼルエンジン搭載車の完成度も驚くほど高いものでした。振動や音がおだやかで乗りやすいだけでなく、高回転までなめらかに回り、回転を上げていく気持ちよさまで備えています。
なんだか褒めすぎのような気もしますが、ディーゼル特有の嫌な部分がほとんど感じられないんです。よく「欧州ではディーゼルはオワコンだ」なんていわれますが、実際に乗ると、まだまだ進化していることを実感します。
しかもディーゼル仕様は、ガソリン仕様より13万円(税込)高いだけ。これもまた魅力的な選択肢です。
* * *
このように、新型「A6」はクルマ好きの心を見事にとらえる1台でした。
正直にいうと、“チョイ乗り”ではその躍動感に全く気づかず、先代と同じように“クールなクルマ”というレッテルを貼りそうになったほどです。しかし、ひとたび峠道へ入れば印象は一変。あまりの楽しさに驚かされました。
クルマはちょっと乗っただけでは分からないものだなぁ、と改めて感じさせられた次第です。
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