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625馬力の圧倒的パワー! BMW新型「M5コンペティション」の怒涛の走りとは

 2017年に登場したF90型と呼ばれるこの現行型M5からxDrive、つまり4WDになった。とはいってもベースがFRのクルマなので後輪駆動が主体となる。

  • BMW「M5コンペティション」の走り

 後輪が空転しそうになったのを検知して、すぐに前輪にも力を伝えるプログラムなので、コーナリング中にアクセルオンにしても、コーナーの外に膨らんでいくアンダーステアは出にくい特性だ。滑りやすい路面で低いギアで急にアクセルを踏み込むと、リアから横滑りしそうになるから、一般的な4WDとは特性が異なる。

 750Nmものトルクなので、いくら前275、後285/35R20というファットなタイヤでも、アクセル全開にすると後2輪ではすぐにグリップ限界を超えてしまう。そのために4WDは必須なのだ。それでも通常のxDriveではなく、ハンドリング性能、トラクション性能を最大限に発揮できるM xDriveになっている。

 5シリーズベースの高級サルーンらしく優雅に乗ることができるが、やはりサーキットを走るために仕上げられたモデルだけあってボディもサスペンションもしっかりしていて、その分、乗り心地も硬くなる。それでも高速道路を使って長距離ドライブするのであれば、どこまででも疲れずに行けそうな快適な走りを体験できる。

 ワインディングロードでは、全長4990mmと大きく、車両重量1940kgと重いボディが邪魔に感じるかと思いきや、予想を遥かに超えた軽快な走りができる。

 タイトターンでは、安定感を保ちながらもノーズが良く入り、ドライバーがクルマを操る愉しさを味わうことができる。ボンネットを開けるとエンジンを取り囲むようにストラットタワーとバルクヘッド、フロントのラジエター側を結ぶように伸びたリーンフォースメントが効いているのだろう。

 日本では2021年1月に登場した新型「M3」は、3シリーズベースのMハイパフォーマンスモデルであるが、M5よりコンパクトで軽量な分は有利なのだが、とくにM5コンペティションのような怒涛の加速は味わえない。これがドイツのアウトバーンを使えるなら、ドアtoドアで飛行機よりも早く移動できることを期待するビジネスマンが選ぶクルマなのだ。

 ステアリングホイールの裏側にはパドルシフトを備えるが、その側に赤いM1、M2ボタンがある。エンジン、サスペンション、ハンドル、ブレーキ、DSCなどのセッティングを事前にセットできるから、例えば市街地モードをM1に、サーキットモードをM2にプリセットしておけば、サーキットに着いたらすぐに走ることができる。

 ただ車両価格が1900万円という高級スポーツカーなのに、ホイールに空気圧センサーが組み込まれてない。つまりサーキットで走りながらタイヤ空気圧やタイヤ温度をチェックすることができないのは残念だ。

  • BMW「M5コンペティション」のインパネ

BMW M5 Competition
BMW M5コンペティション

・車両価格(消費税込):1900万円
・オプション込み車両価格:2257万5000円
・全長:4990mm
・全幅:1905mm
・全高:1475mm
・ホイールベース:2980mm
・車両重量:1940kg
・エンジン形式:V型8気筒DOHCツインターボ
・排気量:4394cc
・駆動方式:4WD
・変速機:8速Mステップトロニック(8速AT)
・最高出力:625ps/6000rpm
・最大トルク:750Nm/1800−5600rpm
・タイヤサイズ:前275/35ZR20 後285/35ZR20

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こもだきよし
こもだきよし
モータージャーナリスト
日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会長(2016年〜) 1950年 神奈川県川崎市生まれ 自動車レース、タイヤテストドライバーの経験を経て、1984年から新型車にいち早く試乗して記事を書くフリーランスのモータージャーナリストになる。クルマが好きというより運転することが好きでこの仕事をしている。 世界一の難所と云われるドイツのニュルブルクリンクの北コース(ノルドシュライフェ)を1984年5月に初めて走ってから40年間通い、BMW M社主催のBMW ドライビングエクスペリエンスで、インストラクターとしてドイツ人インストラクターとともに日本人参加者向けにニュルの走り方を伝えている。

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