「トヨタ2000GTをいま試乗してわかったこと」フェラーリ「デイトナ」やマセラティ「ギブリ」をギューッと凝縮したクルマでした【旧車試乗】
もはや伝説的存在のトヨタ「2000GT」はこうして誕生した
「クラシックカーって実際に走らせてみると、どうなの……?」という疑問にお答えするべくスタートした、クラシック/ヤングタイマーのテストドライブ企画。
その第4弾として、早くも本命といいたくなってしまう超大物の登場である。国産クラシックカーの頂点として、クルマ好きならば誰もが敬愛する名車中の名車トヨタ「2000GT」のドライビングインプレッションをお届けできることになった。

●日本車の歴史における最高のカリスマ、トヨタ2000GT
トヨタ2000GTは、東京モーターショウにて一次試作車がデビューを果たした1965年の段階においては、あらゆる点から見てもセンセーショナルな存在であった。
当時のスポーツカーデザインのセオリーにしたがってロングノーズ&ショートデッキとし、ファストバックのテールに至るまで流麗なラインでまとめ上げたボディスタイリングは、1960年代の自動車デザインに絶大な影響力を持っていた世界的スーパースター、ジャガー「Eタイプ」(1961年デビュー)の影響を明らかに感じさせるものの、その美しさについて異論を挟む余地はないだろう。
正式発表された当初は「トヨタ自動車の社内デザイン」とのみ公表されていたが、現在では当時トヨタの所属デザイナーだった故・野崎喩氏を中心として、デザインワークがおこなわれたことが明らかにされている。
全鋼製ボディとは別体となるシャシは、初代ロータス「エラン」の影響を受けたといわれるX型バックボーンフレームを採用した。またサスペンションについては、トヨタ車としては1947年の「トヨペットSA」以来2度目となる4輪独立懸架を採用。前後ともに、当時のレーシングカーはだしのダブルウィッシュボーンとした。さらにはブレーキについても、トヨタ車としては史上初となる4輪ディスクが奢られていた。
パワーユニットは、クラウン用として既に量産されていた「M」型直列6気筒SOHCエンジンのブロックを流用。エンジン生産の委託先である「ヤマハ発動機」とともに開発したDOHCヘッドを組み合わせた「3M」型を搭載。

三国工業がライセンス生産していたソレックス式ツインチョークキャブレターを三連装し、150ps/6600rpm、18.0kgm/5000rpmという、当時の日本車の中では最大級となるパワーとトルクを獲得した。
このエンジンに、アイシン精機が乗用車用としては初めて開発したというフルシンクロつき5速マニュアル式トランスミッションの組み合わせにより、最高速度は220km/h、0−400m加速では15.9秒という優れたパフォーマンスを実現。
これは、2リッター級グラントゥリズモとしては、当時のグローバルスタンダードに照らし合わせても、充分に高性能車といえるレベルであった。
発売当初のプライスは238万円で、トヨタの高級車であるクラウンの2倍、大衆車カローラなら6倍にも相当する高価なもの。それでも生産に手間がかかり過ぎてコスト面では引き合わない価格設定であり、全生産期間を通じてバランスシートは常に赤字だったという。そのせいか、生産台数は前・後期型合わせて337台(ほかに諸説あり)に終わっている。
この生産台数の少なさも相まって、トヨタ2000GTは日本車史上最高のカリスマ的存在となっているのだ。
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