人気ぶりも納得のハイコスパ“世界一売れてるPHEV”三菱「アウトランダー」がプレミアムを目指す理由
20インチのタイヤ&ホイールを履きこなす
上質といえば、新しいアウトランダーPHEVは乗り心地の快適さでも想像を超えていた。
新型はベーシックグレードを除き、255/45R20という、このクラスの日本車としては珍しい大きなタイヤ&ホイールを履いている。エンジニアによると、20インチの採用は開発当初からこだわった部分だというが、一般的に、タイヤとホイールが大径になると路面の凹凸が乗員に伝わりやすくなり、必然的に乗り心地が悪化しがちだ。しかし新型アウトランダーPHEVは、そうした衝撃を上手にいなし、乗員へと伝えてこない。まるで魔法のじゅうたんにでも乗っているかのような不思議な気持ちになるほどだ。
では、なぜ新型は20インチのタイヤ&ホイールを“履きこなせている”のか? それは、大きく重いタイヤ&ホイールをボディがしっかりと支えているからだ。
フロアに駆動用の大容量バッテリーを搭載するアウトランダーPHEVは、万一、衝突した際にバッテリーが破損して不意の事故が生じぬよう、従来モデルからボディを強固に仕上げていた。新しいプラットフォームを採用する新型はそれが一段とハイレベルになり、荒れた道やオフロードを走っても、ボディがミシリとする印象は皆無だ。
あまりに乗り心地がいいため「路面からの衝撃をやわらげるためにサスペンションだけをソフトにしているのでは?」と想像する人がいるかもしれないが、新型アウトランダーPHEVにはそうしたごまかしは一切なく、ボディというクルマの基本をしっかりつくり込むことで、快適な乗り心地を実現しているのだ。

●思いどおりに曲がる“ハンドリングマシン”
三菱車のPHEVは、ツインモーターという前後それぞれにモーターを組み込んだ4WDとなるのが特徴だ。ツインモーター型4WDは他ブランドのハイブリッドカーやPHEVでも採用例が増えているが、三菱は先代のアウトランダーPHEVで先陣を切ったパイオニアだけあって、制御技術に一日の長がある。
新型アウトランダーPHEVは路面などの状況に応じて前後モーターの出力バランスを巧みに変化させ、素直に曲がるコーナリングフィールを実現。さらに、左右輪に独立してブレーキをかけることで積極的に“曲がりやすい姿勢”を生み出す“AYC(アクティブヨーコントロール)”機能を組み合わせることで、2トンを超える重心の高いSUVでありながら、サーキットなどのタイトコーナーにおいてもドライバーの思いどおりに曲がる“ハンドリングマシン”に仕上げているのはさすがである。

大幅にクオリティがアップしたインテリア、開発当初からこだわった20インチのタイヤ&ホイール、そして快適な乗り心地。それら新型アウトランダーPHEVの進化の根底にあるテーマは、ひと言でいってプレミアム化である。その方向性を決定づけたのは、強力なライバルの存在だ。
PHEVの主戦場は欧州マーケットだが、かの地においてアウトランダーPHEVのライバルとなるのは、メルセデス・ベンツやBMW、アウディなどプレミアムブランドが手がけるモデルであり、インテリアのつくり込みも走り味も相当手ごわい。そのため、新型がセールス面でリードを保ちつづけるには、ライバルに見劣りしない質感と走りが必須だったのだ。
そんな“プレミアムなPHEV”が日本ではアンダー500万円(補助金などを加味すればもっとリーズナブル)から手に入れられるのだから、コストパフォーマンスは極めて高い。その価値に気づいた人が日本にも大勢いるからこそ、新型は受注開始から3か月で1万台以上のオーダーを獲得する人気モデルとなったのだ。
●Mitsubishi Outlander PHEV P
三菱 アウトランダーPHEV P
・車両価格(消費税込):532万700円
・全長:4710mm
・全幅:1860mm
・全高:1745mm
・ホイールベース:2705mm
・車両重量:2110kg
・エンジン形式:直列4気筒DOHC
・排気量:2359cc
・駆動方式:4WD
・エンジン最高出力:133ps/5000rpm
・エンジン最大トルク:195Nm/4300rpm
・モーター最高出力:(前)116ps (後)136ps
・モーター最大トルク:(前)255Nm (後)195Nm
・ハイブリッド燃料消費率(WLTC):16.2km/L
・EV走行換算距離(等値EVレンジ):83km
・ラゲッジ容量:284-1390L
・サスペンション:(前)ストラット式、(後)マルチリンク式
・ブレーキ:(前)ベンチレーテッド・ディスク、(後)ベンチレーテッド・ディスク
・タイヤ:(前)255/45R20、(後)255/45R20
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