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さらに過激な「エボ」があった!“モリゾウ入魂”のトヨタ「GRカローラ」その実力は本物です

「野性味が足りない」のゲキにパワーアップを決断

 GRカローラのエンジンは、GRヤリスにも搭載される“GR専用”の1.6リッター3気筒ターボ。そこに、6速MTのトランスミッションと、スポーツモデル専用に開発されたドライバビリティ重視の4WDシステム“GR-FOUR”を組み合わせる。

モリゾウからのダメ出しを受け、パワー向上へと舵を切った開発陣。GRヤリスのエンジンに対し、ターボチャージャーの過給圧アップなどをおこなった
モリゾウからのダメ出しを受け、パワー向上へと舵を切った開発陣。GRヤリスのエンジンに対し、ターボチャージャーの過給圧アップなどをおこなった

 ただし、パワートレインにおいてはGRヤリスと異なる部分がある。エンジンのスペックが異なるのだ。GRヤリスは最高出力が272psであるのに対し、GRカローラは304psと32psの出力アップを果たしている。

 開発陣によると「当初はGRヤリスと同じ272psのエンジンを搭載する予定だった」という。しかし、開発初期段階の試作車に試乗したGRのマスタードライバー・モリゾウ(豊田社長がドライバーとして活動する際の別名)は、「野性味が足りない」とキツいダメ出し。そもそも開発陣も、GRヤリスと同じエンジンを積むことにモヤモヤした気持ちを抱いていたことから、エンジンをパワーアップさせる方向へと舵を切ったのだという。開発中にエンジン出力を当初のプランから変更するなんて、かつてのトヨタでは考えられなかったことである。

 紆余曲折を経て完成したG16E型エンジンは、GRヤリス用に対してターボチャージャーの過給圧を高めるなどによりパワーアップを達成。それに対応すべく、ピストンなど一部のパーツを強化品へとスイッチしている。

 ちなみに強化ピストンは、国内レースのスーパー耐久選手権に参戦し、水素を燃料として走らせるなど話題を集めている“水素カローラ”用のものを流用しているのだとか。そもそも304ps仕様のエンジンは、モータースポーツ向けに開発されたもの。GRカローラの心臓部はまさに、レースからフィードバックされたものなのだ。

 もうひとつ興味深いのは、GRカローラの特徴のひとつとなっている3本出しのマフラー。マフラーの構造規則や音量の制約がゆるいレース用マシンでは問題ないが、市販車用として考えると、GRヤリスのような2本出しのままでは排気抵抗が大きく、G16E型エンジンで304psを発生させるのは難しかったという。そこで開発陣は、マフラーのパイプを増やすことで所期の目標を達成。つまり見た目からではなく、性能追求のための3本出しなのである。

 そしてこの3本出しマフラーには、中央のパイプに電子制御のバルブが組み込まれている。騒音規制に影響のないアイドリング付近ではそれを解放。騒音を計測するエンジン回転数付近ではバルブを閉じて排気音を静かにし、そして回転が上がると再び解放してパフォーマンスを発揮させるよう制御されている。昨今、走行時の音量規制が高性能モデルの悩みのタネになっているが、今後はこうした電子制御バルブを活用したマフラーが増えそうだ。

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