レクサス新型「IS500」は481馬力のV8エンジンが絶品! 麻薬的な刺激と快適性を兼備したスーパーセダンの実力とは
麻薬的な刺激を秘めたV8エンジンと8速AT
ゆっくり走らせているときのIS500は、それほど強く主張してくるクルマではないといえるかもしれない。エンジンはトルク豊かでアクセルペダルを深く踏み込まなくても余裕のドライブが可能だし、乗り心地もいい。カチッとした剛性感のボディに、しなやかに動くサスペンションのおかげで至極快適だ。

しかし、アクセルペダルを深く踏み込むと表情は一変。回転が高まるにつれてその勢いは増していき、パワーがあふれる。同時に、サウンドは和音が重層的に上積みされていき、とくに5000rpm以降はまさに一気呵成にトップエンドまで駆け上がっていくのだ。まさに大排気量・自然吸気・高回転型という3要素がそろってこそ描き出せる快感は、たまらないものがある。
トランスミッションも切れ味鋭い変速で、刺激をさらに高める。電光石火のシフトアップも見事だが、マニュアルモードでのパドル操作の瞬間にギヤが落ちるかのようなレスポンスにはワクワク、ゾクゾク。意味がなくてもパドルに手が伸び、アクセルを踏み込んでしまう。この刺激は麻薬的だ。
ペースを上げていっても、IS500のシャシはしっかり操作に応えてくれる。荒れた路面でも接地性は損なわれることなく、トラクションも十分。減速してフロントが沈み、ステアリングを切り込むに従ってロールが深まっていくという一連の動きが一筆書きのようにスムーズで、挙動の先読みがしやすい。まさに意のままにハンドリングすることができるのだ。
この辺りは、先に登場していたISの他のモデルと同じテイストといえる。クルマとの対話性に富み、速度域を問わず操る実感に満ちているのである。
あえていうならば、ステアリングフィールはやや緩めというか、端的にいって古めかしい感じが否めないし、ブレーキのタッチもやはりもっと剛性感が欲しいかな、とは思う。けれども、大排気量の自然吸気エンジンを思い切り回して楽しむこのクルマには、アナログ的なこの感じも、そう悪い取り合わせではないと感じた。クルマ好き、走り好きで、これまでいろんなクルマに乗ってきたという人ほど、きっと響くに違いない。

かつてのIS Fと同じエンジン、同様のパッケージングにも関わらず、あえてIS500“F SPORT Performance”として仕立てられたのは、マニアックでトンガッた一部のユーザーだけでなく、多くの人に走りを楽しんでもらいたいという思いからだろう。実際、同じエンジンを積む「RC F」と比較すると確かに価格もリーズナブルに抑えられている。
実は試乗の翌日、サンタバーバラからロサンゼルスのトーランスまで100マイルほどを、このIS500で移動した。私は助手席に乗り込んだのだが、渋滞を含めて約3時間のドライブを、休憩なしでも至極快適に過ごすことができた。おそらく、これがIS Fだったら、締め上げられた乗り心地、主張するエンジン、タイトにサポートするシート等々のおかげで、そうはいかなかったに違いない。
より間口が広く、それでいて走りの奥行きは深いクルマに仕上がっていたレクサスIS500“F SPORT Performance”。日本のユーザーのためにも設定してくれたことを大いに歓びたいと、このときにもまた改めて感じられたのだった。
●LEXUS IS500“F SPORT Performance
レクサス IS500“Fスポーツ パフォーマンス”
・車両価格(消費税込):850万円
・全長:4760mm
・全幅:1840mm
・全高:1435mm
・ホイールベース:2800mm
・車両重量:1720kg
・エンジン形式:V型8気筒DOHC
・排気量:4968cc
・駆動方式:RWD
・変速機:8速AT
・最高出力:481ps/7100rpm
・最大トルク:535Nm/4800rpm
・燃料消費率(WLTC):9.0km/L
・サスペンション:(前)ダブルウイッシュボーン式、(後)マルチリンク式
・ブレーキ:(前)ベンチレーテッド・ディスク、(後)ベンチレーテッド・ディスク
・タイヤ:(前)235/40R19、(後)265/35R19
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