レースで勝つために鍛えたクルマを市販化 トヨタ「GRカローラ」は公道ではどんな走りを見せるのか?
レースを起点に“もっといいクルマづくり”を実践
「TOYOTA GAZOO Racing(以下、TGR)はなんともスゴいクルマをつくったなぁ……」。今回フォーカスする「GRカローラ」というモデルは、その存在自体が何より大きなトピックです。まるで公道を走るレーシングカーのようなクルマを販売するなんて、10年前のトヨタでは考えられなかったことですから。

GRカローラはその名のとおり、トヨタの看板車種である「カローラ」のハッチバック仕様「カローラスポーツ」をベースとした、サーキット走行まで視野に入れたスポーツモデル。名称こそカローラながら、TGRがプロテインで筋肉を増強させ、スパイスをふんだんに振りかけて生み出した“突然変異のエボリューションモデル”といっていいでしょう。
開発に際して、TGRではレースで勝つために鍛えたクルマを市販化するという、モータースポーツを起点とした“もっといいクルマづくり”を実践。具体的には、水素エンジンを搭載したカローラによるスーパー耐久シリーズ参戦を通じて、レースという極限の環境下で新技術である水素エンジンを鍛えるとともに、車両を総合的に鍛え直したといいます。
また、さまざまなシーンで安心して走りを楽しめるよう、サーキットはもちろん、負荷の高いダートや雪道においても走り込みを実施。クルマづくりにおける味つけの最終決定をおこなうマスタードライバーであるモリゾウ氏を始め、レーシングドライバーや全日本ラリーのチャンピオン、さらにTGRの評価ドライバーなどさまざまな評価軸を持つドライバーが壊れるまで走り込むことで、徹底的に鍛え上げてきたといいます。
その成果は、GRカローラの随所に垣間見えます。例えば車体は、カローラスポーツのそれに補強と軽量化を施しただけではありません。一般的なコンベア式の量産ラインではなく、台車を使った“セル生産方式”採用の専用ファクトリーで組みつけられる特別なもの。1.6リッターの3気筒ターボエンジンは、職人の丹念な手作業により組み上げられ、スポーツ走行に適した4WDシステムを組み合わせています。
メカニズムだけ見れば、GRカローラはカローラスポーツのボディに「GRヤリス」のパワートレインを詰め込んだモデルといえそうですが、エンジンの最高出力はGRヤリス比32psアップの304psをマーク。これは、GRヤリスに対して車体がひと回り大きく、重くなったことへの対策としておこなわれた変更です。
このパワーアップのために採用されたのが、GRヤリスにはない3本出しのマフラー。排ガスをスムーズに流すことで燃焼効率を高め、パワーアップを実現したというわけです。

もちろん、見た目における普通のカローラスポーツとの違いはマフラーだけではありません。大きく口を開けたフロントバンパー、片側3cmずつ張り出した力強いフェンダー、そして、レーシングカーのようにエッジを立てて角を強調したリアバンパーなど、スタイリングは迫力十分。軽量なカーボンルーフと相まって、“タダモノではないオーラ”が濃密に漂っています。
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