430馬力のリアルレーシングカーはなぜ速くて強い? トヨタ「GRスープラGT4」は“最高のクルマ趣味”をも味わえる傑作マシン
操舵に対して面白いほどノーズが切れ込むシャープな挙動
試乗の舞台は富士スピードウェイ。だいぶ大ぶりなのでクッションを目いっぱい詰めたシートに体をすべり込ませ、6点式ハーネスをキツく締め上げ、ブレーキペダルを踏み込んでSTRATボタンを押すと、エンジンが勇ましく目覚めます。サウンドの野太さは同じB58型エンジンとは思えないほどです。

右側のシフトパドルを引いてギアを1速に入れたら発進です。とはいえ、ピットロードではステアリングホイール上の「PITスイッチ」を押して、60km/hの速度リミッターを効かせながら走行。コースに出たら、いよいよアクセルペダルを深く踏み込みます。
まずこのパワートレインは、さすがにパワフルで、またサウンドもヌケがよく、とても気持ちよくアクセルペダルを踏み込んでいくことができます。前述のとおり、セッティングはパワー指向ではないとのことでしたが、そこはターボエンジンらしく低中速域のトルクが太いので、速度のノリは上々です。
速く走らせるには、まずこのエンジン特性を活かすことが大切。最初は、ついクセで減速するたびに低いギアまでシフトダウンしていたのですが、実際には可能な限り高めのギアで行く方がいいようです。迷ったら上のギア、ですね。
メインストレートでの最高速は250km/h前後でした。十分に速いんです、この仕様でも。
とまどったのがブレーキです。サーボのつかないブレーキはペダルがとにかく重い! ABSを信じて、思い切り踏みつけないと効きが立ち上がりません。でも、それも限界付近でのコントロール性を求めてのこと。実際、SHADE RACINGでGRスープラGT4を駆る平中克幸選手は、「ブレーキは限界ギリギリのコントロール、踏み方、抜き方が重要です。サーボがあるとかえってコントロールしにくくなると思います」と話していました。

一方、コーナリングは文句なしに爽快でした。富士スピードウェイでいうと、アドバンコーナーと呼ばれるヘアピン、ダンロップコーナーの切り返し、最終のパナソニックコーナーなどの低速コーナーでは、操舵に対して面白いほどノーズが切れ込むシャープな挙動を味わえます。この瞬間が、まさにGRスープラ。そんな感覚に思わず頬がゆるんでしまいます。
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