“ロータリーの明るい未来”に期待! 「MX-30 ロータリーEV」のためにエンジン製造ラインを刷新したマツダのこだわりと熱意とは?
発電用として新設計された新時代のロータリーエンジン
マツダ「MX-30」のPHEV(プラグインハイブリッドモデル)、「MX-30 ロータリーEV」の予約受注がスタートしました。発売は2023年11月の予定です。

MX-30 ロータリーEVは、個性派SUVである「MX-30」の車体に、外部から充電できる大型バッテリーと発電用エンジンをドッキングしたもの。1回のフル充電で、EV(電気自動車)のようにモーターだけで107km(カタログ記載のWLTCモード)走行できます。
そこから先はエンジンを始動させ、通常のハイブリッド車と同じように走行します。日常領域ではエンジンを使わないEV的な存在であり、ロングドライブ時はガソリンを給油することでどこまででも走れるハイブリッドカー的な性格を持つモデルと考えればいいでしょう。
ちなみに、バッテリーがフル充電&ガソリン満タンの状態での航続距離は、WLTCモードで800kmオーバー。“足の長さ”も魅力的です。
ちなみに、MX-30 ロータリーEVのハイブリッドシステムは、エンジンが完全に発電機として機能する構造。直接、タイヤを駆動することはありません。それがトヨタや三菱自動車のPHEVとは異なるところ。日産自動車の“e-POWER”と同様の考え方だといえば分かりやすいでしょう。
そんなMX-30 ロータリーEVの最大のトピックは、なんといっても発電機にロータリーエンジンを採用していることです。
ロータリーエンジンは、爆発によって上下運動するピストンを回転運動に変換する一般的な“レシプロエンジン”とは異なり、エンジン内で“ローター”と呼ばれる三角形のパーツが回転し、駆動力を生み出す特殊なエンジンです。
世界中の自動車メーカーの中で、マツダだけが継続的に量産化できたのがロータリーエンジンであり、マツダにとっては特別な存在です。そうした背景から、今でもマツダの新入社員の1割弱は「ロータリーエンジンを製造した会社だから」とマツダを選んでいるといいます。
そんなロータリーエンジンは、ここしばらく新車に搭載されていませんでした。その一番の理由は燃費の悪さ。そんな逆風をもろともせず、今回、発電用エンジンとして新設計された新エンジンが復活したのです。
マツダは、“8C”型と呼ばれる新しい1ローターのロータリーエンジンを、これまでの“13B”型に対して全面的に新設計するだけでなく、製造を担うエンジン組み立てラインも刷新する熱の入りよう。マツダにとってロータリーエンジンが特別な存在であることがうかがえるエピソードといえます。
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