サーキット志向のポルシェ「911GT3」を広大な北海道で検証! 公道で魅力を味わえる? のんびり走っていても感じられるクオリティの高さとは
GT3は飛ばさずともつくりのよさを理解できる
さて、礼文島と利尻島、ふたつの島内ドライブを楽しんだ後にフェリーで稚内へと渡り、350km先の札幌市街を目指します。

きっとスポーツ志向のドライバーなら、「そんな刺激に満ちた相棒とともにいて、北海道の空いた“公道“で自制心を保てるのか?」と思うでしょう。また、「GT3はドライバーに『踏め!』、『飛ばせ!!』と誘惑するはず」と思うかもしれません。
広大な北海道とはいえ、制限速度は基本的に一般道で50〜60km/hですし、有料道路や高速道路でも80〜100km/hです。
今回ドライブした7速PDK仕様のGT3の場合、100km/h巡行時のエンジン回転数は7速で2400回転に過ぎません。回転数は9000回転がリミットですから、タコメーターの針は加速中でも、時計でいえば10時から11時の辺りを行ったり来たりしていますし、巡航中は9時辺りを指したままです。
「そんなの宝の持ち腐れ! 何が楽しいの?」と思ってしまいそうですが、それは早計というもの。数日間をともに過ごした911 GT3の、いや911シリーズ全体に通じるオンリーワンの素晴らしさは、飛ばさずともそのつくりのよさを理解できることだと気づいたのです。
例えば、美瑛や富良野のゆるいアップダウンを伴うワインディングでは、のんびりと流す程度でもGT3の走りのクオリティの高さが十分に分かります。アクセルペダルを動かす右足の、ほんの1度にも満たない動きと速度をエンジンは精密に反映します。
ステアリングも然りで、左右に拳半分ほどの動きですら、ノーズは正確にドライバーの操作を再現します。そして、ブレーキもドライバーがペダルを踏む筋肉の動きと100グラム単位の力にすら反応するリアリティを秘めています。
操作系はすべて少々重めでガッチリとしたつくりですが、思わずヒザを打つほどの精度は感動的ですらあるのです。
シチュエーションを高速道路に移しても、GT3の超絶クオリティが織りなす“正確無比”な世界は変わりません。加減速の反応、そのリニアさは速度を問わず抜群ですし、ステアリングはアスファルト舗装に含まれる小石のサイズすら感じるほど澄んだ感触です。
個人的に、近代911の最大の特徴といえば、こうした操作系すべての感触と反応、そのクリアさと解像度の高さにあると考えます。
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