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“熊本〜東京1300km” 電気自動車でも快適に移動できる「裏ワザ」とは? 新型「タイカン クロスツーリスモ」で体感! ポルシェらしい走りと遊び心に触れる旅【クルマ×アソビ #17】

別府から大阪まではフェリーの旅を楽しみながら充電

「タイカン クロスツーリスモ」で走り始めてみてまず気づいたのは、全長4974mm、全幅1967mm、車重2280kgの大柄&ヘビー級のモデルとは思えない、軽い身のこなしです。

高速道路ではアダプティブエアサスペンションが威力を発揮。路面の段差や凹凸を軽くいなす
高速道路ではアダプティブエアサスペンションが威力を発揮。路面の段差や凹凸を軽くいなす

 軽やか、とか、機敏といった類の動きではないのですが、ステアリングを動かして車体が反応するタイミングやその動きの自然さと精度感は、「あぁ、これはポルシェだな」と納得させるに十分なものです。

 加えて、全車標準となったアダプティブエアサスペンションの動きも極めてしなやかで、路面の段差や凹凸を大小の別なくいなしていきます。

 試乗車はオプションである21インチのタイヤ&ホイールを履いていたため乗り心地への影響を心配していたのですが、舗装状態がいいとはいえない山間部の県道や市道においても、ネガティブな印象を抱くことはありませんでした。

 好印象の走り味に気をよくし、あっという間に天草エリアを通過。噴火口を望む阿蘇山公園有料道路や外輪山の尾根を走るミルクロードなど、阿蘇エリアの景勝ルートも存分に堪能しました。その後は、くじゅう連山、由布院などを経て、別府のフェリー乗り場を目指します。

 ランチタイムに軽く充電をおこなったこともあり、別府港到着時点での充電状態は57%、走行可能距離は296kmと表示。休憩を挟みながら、途中、アップダウンのある山道を200km以上走り回った結果と思えば、良好な数値といえそうです。

 仮にこのまま走り続けても、福岡までは余裕。そのまま関東を目指すなら広島も目指せますが、今回のクルマ旅では大阪〜別府航路に就航しているフェリー「さんふらわあ」に乗船しました。

 九州へとドライブ旅に出かける方にとって比較的ポピュラーな存在であると同時に、同航路は2023年に就航した新造船「さんふらわあ むらさき」と「さんふらわあ くれない」が運航しています。実はこの両船にはBEV用の充電器(3kW/200V)が備わっており、船旅を楽しみつつBEVの充電も可能というのが、今回のルート選択の決め手となったのです。

「さんふらわあ むらさき」の船内ではBEV用の充電器(3kW/200V)を利用
「さんふらわあ むらさき」の船内ではBEV用の充電器(3kW/200V)を利用

 乗船当日のスケジュールは、18時45分に別府を発ち、翌朝6時35分に大阪着というもの。筆者が乗船したのは2023年4月就航の「さんふらわあ むらさき」でしたが、吹き抜けのアトリウムやホテルに匹敵する設備を備えたモダンなインテリアは実に快適。阿蘇のドライブで程よく疲れた体を大浴場でいやしつつ、心地いい眠りに就くことができました。

 そして気づけば朝5時を過ぎ、「さんふらわあ むらさき」はゆったりと大阪湾を進んでいきます。そそくさと身支度を整え、「タイカン クロスツーリスモ」とともに大阪南港へと上陸しますが、約10時間の充電により充電状態は87%まで回復。走行可能距離も476kmと表示されています。

 大阪南港から横浜青葉インターチェンジ近くにあるポルシェセンターまでは約480kmの行程。ていねいに走ればなんとかたどりつけそうな気もしますが、周辺にはポルシェジャパンの正規ディーラーやPCAの150kW充電器も多くあるため、まずは、あべのハルカス・大阪マリオット都ホテル駐車場内のポルシェ ターボチャージング ステーションでバッテリーチャージしてから出発することにします。

あべのハルカス・大阪マリオット都ホテルの駐車場内にある“ポルシェ ターボチャージング ステーション”でバッテリーチャージ
あべのハルカス・大阪マリオット都ホテルの駐車場内にある“ポルシェ ターボチャージング ステーション”でバッテリーチャージ

 その後は、第二京阪道路、新名神高速、伊勢湾岸自動車道を経て、東名高速へと進むルートで一路、神奈川・横浜を目指します。

 ナビによると距離は約480kmとのことですが、充電状態は100%、走行可能距離は544kmを示しています。高速道路も午前中とあって混雑もなく、クルーズコントロールを使用してひたひたと進みますが、乗り心地は快適至極です。

●「クロスツーリスモ」らしい懐の深さを感じさせる走り味

「タイカン クロスツーリスモ」はダイヤル式のセレクターで「ノーマル」、「スポーツ」、「スポーツプラス」のほか、航続距離を優先する「レンジモード」、ちょっとした荒地向けに車高も上がる「グラベルモード」と走行モードが選べます。

 阿蘇の山中では「スポーツ」や「スポーツプラス」も選びましたが、スピードレンジの低い日本のワインディングでは余りあるパワーは刺激的過ぎるほど。

 舞台を高速道路に移しても、一定の速度で走るなら「ノーマル」、「レンジ」モードが適していると感じました。何しろ、追い越しが必要なシーンでは、「レンジ」モードですら少々強めに右足に力をこめれば「スポーツカーもかくや!」という加速を披露しますし、「ノーマル」や「レンジ」のスムーズで伸びやかな走りは、シーンを選ばない「クロスツーリスモ」らしい懐の深さを感じさせてくれます。

 ちなみに「グラベル」モードを選べば、エアサスペンションにより最低地上高が30mmアップ(その場合の最低地上高は176mm)しますから、段差の大きな駐車場への出入りや未舗装道路の轍(わだち)をパスすることも容易です。

 こうして午後早くには静岡県に到達。静岡サービスエリアを過ぎる頃にはバッテリー残量42%、横浜到着時の残量予想は14%と表示されていました。そのまま大きな渋滞もなく、御殿場付近では到着時残量予想が16%まで回復します。

 ちなみに、横浜青葉インターチェンジを出た時点でのバッテリー残量は17%、走行可能距離も70km以上という表示でしたから、車載コンピュータによる残量表示はかなり正確だといえるでしょう。

 その後、横浜青葉インターチェンジ近くにあるポルシェセンター横浜青葉のターボチャージャーで約30分間充電。バッテリー容量が80%ほどに回復したところで、最終目的地である東京・虎ノ門を目指したのでした。

* * *

 今回のドライブ旅では、「タイカン クロスツーリスモ」の高速クルーザーぶりと、スポーティさを存分に堪能することができました。

 何よりポルシェらしさを感じられたのは、そのオールマイティな性格でしょうか。長距離を一気に駆け抜けたい、ドライバーや同乗者の快適性も欠かせない、ワインディングではスポーティな走りを楽しみたい……となれば、選択肢は思いのほか多くありません。

 しかもそこへ、実用性や趣味性といった評価軸を加えると、BEVか否かを問わず、対象となるモデルは限られます。

「タイカン クロスツーリスモ」は、そんな多様なニーズに応えてくれる上に、愛好家を納得させる魅力に満ちた1台です。しかも、細部に散りばめられたポルシェらしいディテールに、思わずニヤリとするご同輩も多いのではないでしょうか。

Gallery 【画像】「えっ!…」九州から関東まで“裏ワザ”を使って快適移動! これがポルシェの高性能BEV「タイカン クロスツーリスモ」です(30枚以上)
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